日本撤退のフードパンダから引き継いだ新興Qコマース、AMo急成長の理由とは
新規プレイヤーが続々と参入し、盛り上がりを見せるクイックコマースに、また新たなサービスが登場した。クイックエクスペリエンス(東京都/和田千弘社長)が2022年6月12日にスタートした食品・日用品の即時配達サービス「AMo(アモ)」だ。同社の経営の舵を取るのは、インターブランドジャパン、グーグル日本法人、すかいらーくホールディングスなどの要職を歴任した和田千弘氏。「AMo」の立ち上げ経緯と今後の事業戦略について、和田氏に聞いた。
「フードパンダ」からMBOで事業を取得
2021年12月22日、独デリバリーヒーロー(Delivery Hero)の傘下のフードデリバリーサービス「foodpanda(フードパンダ)」が日本から撤退することが発表された。これにより、主力のフードパンダのほか、フードパンダ上で展開していた食品や日用品を注文から最短30分以内で届ける即時配達サービス「pandamart(パンダマート)」もサービス終了が決まった。
発表当時、フードパンダは先行する競合フードデリバリーとのシェア争いに苦戦していた一方で、幅広い品揃えと低価格が支持を集め、パンダマート事業の業績は好調だったという。
パンダマート事業は別法人で運営していたこともあって、「撤退はもったいない。なんとか自分たちでサービスを継続できないかとメンバーと話していた」と、当時デリバリーヒーローでアジア太平洋地域マネージングディレクターを務めていた和田氏は振り返る。
「最初は『私が買い取りましょうか』と冗談で話していた」(和田氏)とのことだが、パンダマートの旧運営元であるデリバリーヒーローとの交渉の末に了承が得られたことから、日本市場での事業存続に向けて、本格的に動き出していく。
海外ベンチャーキャピタルや国内のエンジェル投資家などの出資も受けながら、和田氏は2022年2月にクイックエクスペリエンスを設立。パンダマートの旧運営法人の全株式を和田氏が買い取り、クイックエクスペリエンスに吸収合併するというMBO(経営陣による自社の買収)に近いかたちで事業を引き継いだ。なお、クイックエクスペリエンスの株式の大半は和田氏個人が持つものの、デリバリーヒーローも株式7%を保有しており、独フードパンダCEOを取締役会のオブザーバーとして迎え入れている。
半径2.5km圏内の10~15万人をねらう!
そうした経緯を経て、22年6月にスタートしたのが、
DCS Report の新着記事
-
2024/11/16
ファストリが3兆円突破!24年8月期決算で語られた今後の成長戦略 -
2024/11/16
ライフ、自然派PB ビオラルの売上を、30 年度に現在の4 倍にする戦略とは -
2024/11/15
TTGによる無人店舗が200店舗突破!導入加速する3つの理由とは -
2024/11/15
標準店の1/4!ホールフーズ、都市型小型店の全貌 -
2024/11/15
ライフ、U.S.M.H、アークスの25 年2 月期上期決算分析!価格競争で各社減益基調に! -
2024/11/02
イトーヨーカ堂の新総菜ブランド「ヨーク・デリ」好調の理由と新体制下での注目ポイントとは
この連載の一覧はこちら [252記事]
関連記事ランキング
- 2024-11-01セブン&アイ、イオンの24年度上期決算と今後の戦略全まとめ
- 2024-11-02イオンリテール、住居余暇実験店「イオンスタイル大日」の売場づくり解説
- 2022-05-05冷凍弁当宅配の「ナッシュ」がコロナ禍で販売数を8倍に伸ばした方法
- 2024-11-02@FROZEN、11 号店にして初の関西出店!四条畷店の売場づくりの特徴は?
- 2024-10-28売上6000億円超のコープデリ連合会、宅配利益率4%も危機感の理由
- 2024-11-02イトーヨーカ堂の新総菜ブランド「ヨーク・デリ」好調の理由と新体制下での注目ポイントとは
- 2024-11-15ライフ、U.S.M.H、アークスの25 年2 月期上期決算分析!価格競争で各社減益基調に!
- 2024-09-3048兆円市場の各社のシェアがわかる!食品小売、市場規模&占有率2024!
- 2023-04-048期ぶり黒字転換、経営破綻からビジョンメガネが復活できた理由
- 2024-11-15標準店の1/4!ホールフーズ、都市型小型店の全貌