たんぱく質摂取の大切さを発信する「 めざせ1日80g!たんぱく摂ろう会」が誕生

室作 幸江
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コロナ禍で生活者の健康に対する意識が高まるなか、注目されているのがたんぱく質だ。市場は拡大傾向にあるものの、実は日本人のたんぱく質摂取量は低く、さまざまな健康課題が顕在化している。そこで、大手食品メーカー3社が立ち上がり、今年6月、たんぱく質コンソーシアム「めざせ1日80g!たんぱく摂ろう会」を設立。たんぱく質摂取の啓発を通じて、ウェルネス社会の実現をめざすのがねらいだ。

プロテインブームを背景にコロナ禍でも市場は拡大傾向

 そもそもたんぱく質は筋肉や臓器、血液をつくり、さらにはホルモンや免疫物質などの調整機能を司る物質の材料でもあり、人間にとって必要不可欠な栄養素だ。炭水化物、脂質の二つを加えて「三大栄養素」や「エネルギー産生栄養素」とも呼ばれている。

 こうしたたんぱく質に関する情報が、健康志向が高まるにつれ認知されるようになり、2015年頃からプロテインブームが到来。TVの健康情報番組などメディアで取り上げられたことも追い風になっている。それを実証するのが、たんぱく補給食品※1市場の拡大だ。富士経済が行った調査結果※2によれば(図表①)、11年に558億円の規模であった市場は、26年には3218億円に達すると予測している。その要因として、プロテインブームを背景に、ユーザーの認知度向上や相次ぐ新規参入と新商品発売による商品数の増加を挙げている。新規参入では大手も目立ち、なかでも明治が20年に発売した「TANPACT」ブランドが市場に大きなインパクトを与えていると分析。「TANPACT」ブランドの理念に賛同した企業からも商品が続々と発売されており、市場を押し上げていると結論づけている。

図表① たんぱく補給食品の国内市場

 たんぱく質補給食品市場の勢いはコロナ禍でも鈍化していない。確かに、20年は新型コロナウイルスの影響による外出自粛で来店客が減少し、コンビニエンスストアや駅売店などでの販売実績は大幅に減少した。だが、プロテインブームによる根強い需要に加え、コロナ太り解消を目的とした新たな需要を掘り起こし、市場は前年比二ケタ増となった。翌21年は、コロナ太り解消を目的とした需要の伸びは鈍化したものの、たんぱく補給食品の認知度向上が急速に進んでいることや、新商品による需要開拓が続いているため大きく伸長。22年も好調に推移しており、今後も高い伸びが続くと予想している。

※1 補給を目的にたんぱく質を添加した市販用商品(原料素材が本来有するたんぱく質のみの商品を含む)
※2 調査方法:富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用。調査期間:2021年7月~8月

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