“長野最強”のスーパー「ツルヤ」関東進出の衝撃!
出店場所はベイシアの“お膝元”
さて、届け出で明記されている住所(群馬県前橋市公田町670番地1)を調べてみると、北関東自動車道「前橋南IC」から1.6kmほど離れた場所である。ツルヤの拠点がある長野県小諸市からは、高速道路を使えば1時間超で到着するため、物流面や営業面でも大きな支障はなさそうだ。
店舗周辺を見渡すと、半径3km圏内には「ベイシア前橋みなみモール店」「しみずスーパー前橋亀里店」「フレッセイ大利根店」「コストコホールセール前橋倉庫店」などがあるほか、ベイシアの本部も目と鼻の先の距離にある。
お膝元で迎え撃つかたちになったベイシアは、ツルヤの出店について、「『よりよいものをより安く』をさらに追求して、お客さまの暮らしのパートナーとして今後も選ばれる店づくりを行っていきます」(広報)とコメント。冷静にツルヤの“上陸”を迎える構えだ。
とはいえ、ベイシアをはじめ北関東で店舗を展開するSM各社は、警戒レベルを引き上げざるを得ないだろう。長野県外でのツルヤの知名度はまだそれほど高くはないが、前述のとおり、同社のオリジナル商品はそれ単体で集客につなげられる爆発力を持っている。新天地・群馬でも着実にファンを拡大していくポテンシャルは十分にあるといえる。
一方、ツルヤの出店ペースは昨今、年間1店舗程度と緩やかであり、今回の出店を皮切りに北関東で急速にドミナントを形成していく可能性は低いとみられる。しかし、北関東を重点エリアとして今後継続的に出店していくとなれば、競合するSM企業は、とくに商品政策の面で何らかの対策を打ち出す必要に迫られるだろう。