都市立地、H&BC、デジタルの3つで読み解く マツキヨとココカラ、資本業務提携の深層

ダイヤモンド・ドラッグストア編集長:小木田 泰弘 (ダイヤモンド・ドラッグストア 編集長)
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ココカラファインは「人々のココロとカラダの健康を追求し、地域社会に貢献する」という経営理念の実現をめざしている
ココカラファインは「人々のココロとカラダの健康を追求し、地域社会に貢献する」という経営理念の実現をめざしている

「まさに理想のカップル」

  マツモトキヨシHD193月期業績は、売上高は同3.1%増の5759億円、営業利益は同7.3%増の360億円。ココカラファインの193月期業績は、売上高は同2.5%増の4005億円、営業利益は同5.8%減の129億円となった。

  ともに都市部立地の店舗で利益を多く確保しており、資本業務提携を通じて人口が厚い都市エリアの需要を両社で押さえることは理にかなっているといえる。また、利益率の高いヘルス&ビューティケア(H&BC)カテゴリーの販売額は競合他社が追随できない規模となり、プライベートブランド商品のさらなる展開にも弾みがつく。

  さらに両社はデジタルへの投資にも積極的だ。

  マツモトキヨシHD20157月からオムニチャネル化を本格始動。現在はオムニチャネル基盤から得られたビッグデータを活用し、新しいビジネスに乗り出している。

  一方のココカラファインは2016年からデジタルへの取り組みを本格化。20166月にはスマートフォン向けアプリ「ココカラファイン公式アプリ」をリリース。201610月にはWEBサイトをリニューアル。20183月期を「ワン・トゥ・ワンマーケティングを行うための土台づくりの年」と位置付け、「多様化する販促媒体を利用したワン・トゥ・ワンマーケティングの確立」を進めてきていた。

  ドラッグストア業界に詳しいある証券アナリストは「まさに理想のカップル。両社はそもそもめざすところが同じ。時間はかかるかもしれないが、資本提携にとどまらず、経営統合までいくだろう」と話す。

  両社が仮に経営統合に至れば、都市部でダントツのH&BCシェアを持つ、売上高約1兆円のオムニチャネルDgS企業が誕生することになる。

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ダイヤモンド・ドラッグストア編集長

小木田 泰弘 / ダイヤモンド・ドラッグストア 編集長

1979年生まれ。2009年6月ダイヤモンド・フリードマン社(現ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」誌の編集・記者を経て、2016年1月から「ダイヤモンド・ドラッグストア」誌副編集長、2020年10から同誌編集長。

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