【仏カルフール】取締役会がブラジル事業統合案承認、カジノとの対立深まる
小売業世界2位の仏カルフールは7月4日、同社の取締役会がブラジルの投資ファンドから受けた事業統合案を承認したと発表した。
この提案はブラジル最大手小売業グルポ・ポム・デ・アスカー(GPA)を傘下に持つコンパニア・ブラジレイラ・デ・ディストリブイカオ(CBD)とカルフールのブラジル事業を統合するというもの。統合後の新会社は売上高が300億ユーロ(約3兆6000億円)を超える圧倒的なナンバーワン企業となる。
ただ、フランス国内でカルフールの最大のライバルであり、1999年にCBDに出資したカジノはこの統合案は株主合意に違反していると主張、国際商業会議所(ICC)に仲裁を申し立てている。カジノと共同でCBDの筆頭株主となっている現地企業のディニス・グループは統合案に乗り気だが、ブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)はカジノの合意がない限り事業統合に関わる資金を融資しない方針を示しており、この統合案は簡単には実現しそうにない。