ライフと東急ストアが参画! 食品マッチングプラットフォーム「ステナス」とは?

取材・文:阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

27年度には全国展開を予定

 小売業側にとってのステナスの活用メリットは、店舗の運用負担を最小限に抑えつつ、食品ロス削減と収益向上を両立できる点にある。店舗でのステナス運用にかかる作業は、通常の廃棄商品登録の流れとほぼ同様で、農産部門で1015分、食品部門で510分程度で済む。

店舗での実施タスクのフロー

 実証実験はライフの「竹ノ塚店」(東京都足立区)、「西蒲田店」(同大田区)、「千歳烏山店」(同世田谷区)、東急ストアの「中目黒本店」(同目黒区)の4店舗で25106日から1130日まで行う。

 一般利用者は店頭価格の67.5割引、支援対象者はさらにその半額で商品を購入できる。価格設定については、実証実験を通じて今後、より適正な価格を算出していく方針だ。

 25年度中は2社の東京23区内の店舗で、まずは農産品と日配品を対象に実証実験を行う。26年度以降は、他の小売事業者にも参画を呼びかけ、首都圏および地方への展開をめざす。

 また取り扱い品目についても、26年度以降は総菜や加工肉、加工魚などへ順次拡大していく予定だ。さらに、食品スーパーにとどまらず、コンビニエンスストアや商業施設などへの展開も視野に入れる。

 ネッスーのサーキュラーエコノミー事業部の折山万里音氏は「ステナスの取り組みを通じて、食品ロス削減と食の機会格差の解消という2つの社会的課題を同時に解決していくことをめざす」と話した。

1 2

取材・文

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

関連キーワードの記事を探す

© 2025 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態