ライトオンがEC化率を2年で2.5倍の2ケタにするための秘策とは?
受注生産販売を行うECは少数派
18年までは売上拡大を最優先として、ECモールへの出店に力を注いできたため、ECに占める自社サイトの割合は約2割だった。しかし、19年からは「自社サイトファースト」を掲げて、ポイント提携していた楽天を除いてECモールへの出店を20年に再開するまでいったん休止、経営資源を自社サイトに集中した。その結果、自社サイトの売上高は現在約10億円、ECに占める割合は約60%まで高まっている。
自社サイトでは、例えば、バナー特集を組んで、対象アイテムの訴求力をアップしているほか、ささげを内製化し、年代や嗜好に合わせて、商品の掲示方法を変えている。「商品のロケ撮影を増やしたところ、Z世代の購買率が上がるといった成功事例が出てきています」(同)。
ECの利用を促進するため、買い上げ金額5,500円以上の送料無料を、21年9月からは3,980円以上に引き下げた。20年11月からは、コロナ禍に対応するためもあって、東西の旗艦店2店舗で毎月各2回の「ライブコマース」にも乗り出し、新作の紹介などを行っている。
自社サイトがメーンのオリジナル商品も拡充を予定している。中でも、特徴として打ち出しているのが、21年から始めたネット限定の受注生産販売だ。
「発注済み商品の予約は各社実施されていますが、受注生産を手がけているECは少なく、お客さまが求めれられている商品を確実にお届けしたいという想いからです。また、商品の廃棄ロスが削減できるので、お客さまの支持も得やすいと考えています」(同)。
例えば、「CAMP7(キャンプセブン)」といったPB(プライベートブランド)で予約販売サービスを行っているほか、7月には人気漫画ドラマ『東京リベンジャーズ』の実写映画公開に合わせて、コラボレーション商品の一部を、ウェブ限定で受注生産を行った。受注・予約販売の販売額は、20年が約5,000万円、21年が約1億円に急増する見込みで、「来期には1.5億円を目指したいですね」と、大野氏は意気込む。