サステナブルリテールめざすオイシックス、カニやロブスターなどの培養肉を開発する米企業に投資
代替肉の開発で米国が世界をリードする背景
日本でも「大豆ミートハンバーグ」などの代替肉が商品化されるなどの動きが活発化しているが、代替肉の開発や製品化で世界をリードしているのは米国だ。米国のビヨンドミート(Beyond Meat)、インポッシブルフーズ(Impossible Foods)は代替肉市場開拓の牽引役として、すでに世界各国に進出している。
米国で代替肉の開発が盛んな背景には、世界最大の牛肉消費国として、畜産が地球環境に与えるとされる悪影響を無視できないことがある。とくに、2006年に国連の食糧・農業機関が発表した報告書「Livestock’s Long Shadow」で、「温室効果ガス排出量の18%近くが牛や豚などの飼育によって発生する」と記されたことがマスコミや消費者の大きな関心を呼び、代替肉開発のきっかけの一つになった。
代替肉には大きく分けて、「培養肉」「植物性代替肉」「昆虫食」の3種類がある。中でも培養肉は、高度なバイオテクノロジーを駆使して動物の筋肉細胞を培養・整形するものだ。肉の持つ独特の繊維感を出すために「三次元培養法」などの技術が用いられているが、まだ開発途上の段階で本格的な商品化は将来的な課題だ。海洋生産物の培養肉も海洋資源保護、持続可能な漁業のために試みられている、今回、カニやロブスターといういわゆる「高級食材」の培養が投資の対象になったのは、商品化した際にある程度の販売価格が見込め、商品化に繋げやすいためと見られる。