小売業にジャストフィットするビジネスインクジェットプリンター

2019/03/29 16:38
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    エプソン「PX-M884F」「PX-M886FL」

     店舗にとって集客向上と売上拡大には、賑やかで華やかな店舗を演出することが重要になる。店舗活性化に必要なPOPやプライスカードなどを店舗で手軽に作るために、高速・高画質かつ低コストで印刷できるプリンターが不可欠となる。同時にスペースの限られた店舗に置くための省スペース化と、人手不足で作業効率も上げたいため、インク交換の頻度を減らすインク大容量化という要求もクリアしなければならない。もちろん、誰でも簡単に使えることも重要だ。そうした要求に応えたのがエプソンのビジネスインクジェットプリンター「PX-M884F」であり、大容量インクで低印刷コストを実現するビジネスインクジェットLモデル「PX-M886FL」だ。

     

    セイコーエプソン 「PX-M884F/886FL」
    (左)「PX-M884F」、(右)「PX-M886FL」

     

    印刷速度はもはやレーザープリンターと同等レベル

    エプソン販売 BPMD部課長 平野 敦則氏
    エプソン販売 BPMD部課長
    平野 敦則氏

     「インクジェットプリンターも技術開発が進み、印刷速度はレーザープリンターと同等レベル、エプソン独自のコア技術であるPrecisionCoreヘッドテクノロジーにより高速・高画質印刷が可能になった。しかも色の再現性が高く水に濡れてもにじみにくい顔料系インクを使用しており、ビジネス業務に適している」とエプソン販売BPMD部課長の平野敦則氏。しかし置き場所に困らないだけの省スペース化とインク交換頻度の軽減を実現するためのハードルは高かったという。インクを増量すればそれを搭載する本体も大きくなる。反対に本体を小さくすればインク搭載量は減らさざるを得ない。「開発はスペースを稼ぎ出す戦いのようなもの」と平野氏は苦笑交じりに話す。

     

    狭い店舗バックヤードスペースでも置き場所に困らない大きさ

    狭いバックヤードでもすっきり置けるコンパクトさ(写真は「PX-M886FL」)
    狭いバックヤードでもすっきり置けるコンパクトさ(写真は「PX-M886FL」)

     そこでエプソンが開発したのは、ビジネスインクジェットプリンターA4複合機の「PX-M884F」やビジネスインクジェットLモデル「PX-M886FL」などで採用したインクパック方式である。これまでインクジェットプリンターは、インクカートリッジ方式が一般的。それをあえてインクパックを底面に配置したのは、「インクカートリッジで大容量化すると、どうしてもカートリッジそのものが大きくなる」(平野氏)と、プリンター本体の小型化とインク交換の頻度を減らすことを両立する手段だったというわけだ。しかもインクパック方式は、プリンター下部に設置したトレーにインクパックを装填するだけと簡単にインク交換ができる。

    インクパックの交換はカートリッジ式同様に簡単だ
    筆者も体験したが、このように非常に簡単だった
    消耗品が少ないと、発注や在庫管理の負担も減るメリットがある
    消耗品が少ないと、発注や在庫管理の負担も減るメリットがある

     しかも大容量のインクパックにより「PX-M884F」でブラック約1万ページ、カラー約5000ページ分の印刷ができる。印刷コストはカラーで1ページあたり約6.1円、モノクロでは約1.8円と経済的。さらに同じく大容量インクパックを採用した「PX-M886FL」では、ブラック約1.6万ページ、カラー約1.1万ページ分に相当するインクを同梱。印刷コストは1ページ当たりカラー約2.0円、モノクロ約0.8円とさらに低コストとなっている。

     それだけの印刷可能枚数を実現したインクパックを搭載し、大きさは横425×奥行き535×高さ357㎜のコンパクトさも兼ね備えている。小型であることで、デスクの上はもとよりデスク下の足元スペース、事務用ラックの下の段などにちょうど収納できる。デスク下などに設置した場合を想定して、「プリンターの液晶モニターはチルトできるようにして見やすいアングルに設定できるだけでなく、給紙や排紙もやりやすい前面配置としている」と、置き場所に困らない本体仕様にした点もポイントだ。

     入店して間もないパート社員やアルバイトでもミスすることなくインク交換できる。しかもインク交換の頻度が減るので、予備のインクを何本も店舗内でストックしておく必要もない。

     

    1回当たり5枚の印刷が多い場合はインクジェットがオススメ

     さらに平野氏がアピールするのが1枚目が印刷されるまでの速さであるファーストプリント。「レーザープリンターは、スタンバイ状態からドラムを温める必要があるため立ち上がりに時間が必要。インクジェットならばすぐにファーストプリントが排出される。1回に5枚程の印刷が多い場合はインクジェットの方が便利だろう。対面で印刷が必要な場合、お客様を待たせる時間が少ない点もメリット」という。

     

     

    月間6000枚程度の印刷で年間約50万円超のコスト削減も

     小売業での具体的な使用の実態に関して、実際の例としては、あるローカルスーパーチェーン全店では1店舗当たり月間6000枚印刷しているという。この企業で、エプソンのビジネスインクジェットLモデル「PX-M886FL」とレーザープリンター「LP-M720F」で印刷コストをシミュレーションした場合、年間で約50万円超のコスト削減効果があるという結果が出た。また5年間では約300万円弱のコスト削減が図れるという結果が出た。もちろん消耗品の追加購入やプリンター本体耐久なども考慮してはじき出した数字だ。これが100店舗や200店舗という規模になれば、どれだけコスト削減効果があるかは、容易に想像できる。

     「基本的にはビジネスインクジェットプリンターでお客様のプリンターを置き換えられると考えている。ただし、今レーザープリンターをお使いのお客様が、色の好みや、連続印刷などを要望されるケースがあるので、当社もレーザープリンターをラインアップしている。」と平野氏。

     配布資料を大量に連続印刷する場合、レーザープリンターの方が生産性が高いケースもあると言うが、しかし多頻度少量の普段の業務印刷やカラー写真データ等を使ったPOPなどを印刷する場合は「PX-M886FL」「PX-M884F」の方が圧倒的に効率的だろう。

     平野氏は「印刷環境や使用目的、お客様のご要望に合わせて最適なプリンターをインクジェットプリンターを中心に提案していく」と話し、エプソンのビジネスプリンターラインアップで小売業のお客様の要求をカバーできると意気込んでいる。

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