関西フードの新・価格訴求型フォーマットにみる、ディスカウント成功の条件
関西フードマーケット(大阪府)は、フォーマット改革の柱として「高付加価値型(Aタイプ)」と「価格訴求型(Cタイプ)」の2軸で店舗運営を進めている。前編ではAタイプの「阪急オアシス宝塚南口店」(兵庫県宝塚市)を取り上げたが、本稿ではCタイプの展開事例として、「関西スーパーデイリーマート市岡店」(大阪府大阪市)の取り組みを確認していく。
調査日:2025年6月24日

価格訴求型の実験店舗として再始動した市岡店
関西フードマーケットは4月23日、「関西スーパー市岡店」を改装し、価格訴求型の新フォーマットの実験店舗「関西スーパー デイリーマート市岡店」(以下、市岡店)としてリニューアルオープンした。
売場面積は1824㎡(約553坪)で、スクエア型のレイアウトを採用し、青果・精肉・鮮魚・日配・総菜を壁面に沿って展開する構成となっている。入口では、韓国のりやレトルトご飯を段ボール積みで量販し、青果コーナーの99円バナナへと導線をつなげる展開だ。
青果売場では、ケース内に折りコンテナを使用した陳列が基本でパック商品が中心である一方、トウモロコシなどの裸売り商品も取り扱っている。産直コーナーは青果売場の後方に設けられており、徳島県のスーパーマーケット「キョーエイ」が地元農家と連携して展開する「すきとく市」を導入していた。
インストア加工を活用した精肉・鮮魚売場
精肉売場では、量目に応じた価格設定を行い、サイズ別にユニットプライスを変更している。また、挽き肉はインストアで加工しており、アウトパックを主体としたローコストオペレーションを強くは志向していない点が印象的だった。
鮮魚部門でも同様に、刺身類をインストア加工で提供している。ツマ入りの盛り合わせに加えて、ツマなしのトレーパックや、サクの状態から加工した刺身アイテムなど、インストアならではの細やかな品揃えが目立っていた。
総菜売場は、
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関西フードマーケット林克弘社長が明かす、新・マルチフォーマット戦略の全貌

