アークランズの新業態 こだわり抜いた1600坪

ダイヤモンド・ホームセンター編集部

アークランズ(新潟県/佐藤好文社長)は5月14日、新業態1号店として「アークマスター流山店」(千葉県流山市)をオープンした。同社はこれまで「ムサシプロ」「ビバホームプロ」といったプロショップを展開してきたが、新業態はこれまでと一線を画す売場づくりを行っている。

アークマスター誕生の背景

 アークランズは自社グループ内でプロショップ業態の強化を図ってきた。同社はそれぞれプロ向け業態の「ムサシプロ」「ビバホームプロ」を展開している。たとえば2022年には埼玉県に「ビバホーム日高店」(売場面積約1500㎡)を、24年には長野県に「ムサシプロ松本店」(同約1770㎡)をオープン。いずれも3万〜4万点超の専門用品を揃えてプロ顧客の利便性向上を図った。

アークマスター流山店外観
アークマスター流山店
●オープン日: 2025年5月14日
●所在地: 千葉県流山市流山9丁目500番1
●アクセス: 流鉄流山線「平和台」駅から徒歩約3分
●電話番号: 04-7157-9911
●営業時間: 6:00~20:00
●売場面積: 約5360㎡
●SKU数: 5万超

 このようなプロ市場拡大と自社ノウハウ蓄積を背景に、アークランズは新業態「アークマスター」を立ち上げた。その第1号店が流山店である。

渡邊靖央氏
プロショップ事業部事業部長兼アークマスター流山店店長の渡邊靖央氏

 同店は03年開業の「ビバホーム流山店」を業態転換した店舗だ。「従来のプロショップとは一線を画す洗練された内装デザインと見やすく取りやすい商品陳列、そして丁寧な接客によるお客さまにとってのベスト一品の提案をコンセプトに掲げている」とプロショップ事業部の渡邊靖央事業部長は話す。

 アークマスターの構想は約1年前にスタートした。「プロ業態は他社に先行してムサシプロを運営していたが、多店舗化に後れを取った。現状を打破するためにこれまでとは一線を画す業態開発に取り組んだ」(渡邊氏)。必ず成功させると意気込む渡邊氏は自らが初代店長となり、不退転の覚悟で臨む。

 流山店は、既存のビバホームプロやムサシプロと比べてもさまざまな点で差別化が図られている。まず店舗規模と品揃えの面では、その特徴が顕著である。流山店の売場面積は約5360㎡で、取扱商品数は5万点超。これはビバホームプロ、ムサシプロの2倍以上の広さで、プロ業態としてグループ内最大級の総合力を持つ店舗である。豊富な在庫と品揃えにより、木材・セメントなど大型資材から先端工具やネジ1本に至るまでワンストップで揃う利便性を実現している。

アークマスター流山店店内

アークマスター流山店店内
通路幅を広く確保。視認性を高めるために陳列棚を斜めに配置したのも特徴の1つ

こだわり抜いた売場づくり

 流山店は流鉄流山線「平和台」駅から徒歩約3分の場所にある。リフォーム専門店「アークホーム」を併設している。旧ビバホーム流山店はソフトライン中心で、ホームセンター(HC)、ドラッグストアとの競争が激しかったため、プロショップとして業態転換させた。メーンターゲットは北側の千葉・埼玉方面から南側の首都圏に向かう建築職人である。周辺には「本田屋豊四季店」「コーナンPRO柏インター店」といったプロショップの競合店が並ぶ。一方、約5㎞のところに自社グループの旗艦店舗「スーパービバホーム三郷店」がある。

腰袋や装飾品
腰袋や装飾品の品揃えも充実させている
電線の切り売り
カラーバリエーションを揃えた電線の切り売り

 同店は工具・作業衣料などを取り扱う本館、建築資材を揃えた資材館に分かれている。最大の特徴は洗練された売場づくりだ。

 店内は黒を基調とした落ち着いた雰囲気で、天井も低めの設計になっている。従来の荒々しい倉庫然としたプロショップとは一線を画すおしゃれな空間に、初来店者は「想像と違う」と驚くほどである。BGMも静かな曲調が流れ、ゆったりと買物ができる環境づくりがなされている。

 商品棚の配置にも工夫が凝らされている。店内の陳列棚は斜めに配置されており、一目で「どこに何があるか」が見渡しやすいレイアウトだ。通路も広く取られているため、大型カートでの移動もスムーズで、急ぎのプロも初心者の一般客も迷わず目的の売場にたどり着ける。

大容量の塗料
プロ向けに大容量の塗料を品揃え
電動工具
電動工具は一つひとつの商品が目立つように陳列。触って使い心地を確かめられるようにしている
試着室
試着室もシックなデザインで統一している
作業衣料
作業衣料は強化カテゴリーの1つ。エンドでマネキンを使ってコーディネート提案を行う
ユニフォーム
ユニフォームの提案。商談用のスペースも併設している
セーフティーシューズ売場
セーフティーシューズ売場にはイスを置いて、試し履きできるようにしている
売場中央の什器
売場中央ほど什器の高さを高く設定。奥行が広く見えるように工夫している

入口付近のカタログコーナー

入口付近のソファ
入口付近には無料の自販機とソファを設置し、くつろげるようにしている。カタログコーナーも充実させた
ドアノブコーナー
ドアノブは種類を豊富に揃えた

資材館

資材館
資材館は直接トラックで乗り入れられるドライブスルー式。売場奥側で切り返せるよう6m幅のスペースを確保

 

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