ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)が横浜・湘南台地区に2店目となる「ロピア港南台バーズ店」(以下、バーズ店)を2023年12月5日に出店した。前編では生鮮4部門の売場を解説した。後編は日配・加工食品などの売場を見ていく。
調査日=1月7、8、12日 ※本文中の価格はすべて本体価格
日配は堅実に利益を確保?
日配売場は「無印良品」側から見て左サイドで壁面を利用。正面の壁面24尺で乳製品、30尺でチルド飲料、豆乳、アーモンドを展開する。左の壁面は80尺で和日配、平場の冷蔵ケースでは卵、ゼリー、カップ飲料、ヨーグルト、スイーツを展開し、その背面でパン、44尺でアイスクリームを配置している。冷凍食品は約25坪(歩測)。日配については、最近の新店では価格がほぼ固定化されておおり、売上というよりも利益確保を重視しているようだ。競合店もあまり意識していないように見える。
無調整牛乳は「近藤乳業・北海道産十勝牛乳1ℓ」(189円)。プレーンヨーグルトは33品目を揃えており、他店は扱いがないケースもある明治「ブルガリアヨーグルト400g」(138円)も販売していた。こだわり商品として「カネカ・オーガニックヨーグルトプレーン300g」(408円)、「タカハシ乳業・ジャージーヨーグルト405㎖」(361円)などの扱いもみられた。
和日配は80尺で、先頭は中華総菜、押さえは梅干となっている。納豆は8尺24品目の扱いで、「タカノフーズ・極小粒ミニ50g×3」(65円)をはじめ、こだわり商品として「こいしや食品・平家中粒納豆40g×3」(89円)を扱う。キムチは「高麗食品・黄さんのホタルいかキムチ300g」(899円)など22品目を扱う。和日配は下段で売れ筋商品を価格訴求した、無難な対応となっている。
冷凍食品は冷凍野菜、スナック、中華、フライ、たこやき、唐揚げなど、グループ企業のユーラス(神奈川県/山田将一社長)の商品を中心とするオリジナル商品をベースで、ロピアの独自性をアピールする。
加工食品売場を解説!
加工食品売場の売場スペース構成比は24%、酒が6%、合計30%。加工食品で注目したいのは、専用コンテナを使って壁際や空きスペースで展開する催事売場で、価格訴求商品を豊富に揃えており、作業性の面でも大きく寄与している。
酒・飲料売場はゴンドラゾーン奥側で展開。酒類はビール系飲料がベースで、6缶パックとケースを充実させている。「アサヒビール・スーパードライ360mℓ 6缶」(968円)と「サントリー・金麦350mℓ 6缶」(735円)を販売する。
ウイスキーはスコッチウイスキーに力を入れており、42品目をラインアップ。米国、台湾、豪州の高級ウイスキー5品目もボックスで陳列。飲料は大容量・少容量で売場を分けており、「サントリー・伊右衛門2ℓ」(129円)、「コカ・コーラ1.5ℓ」(159円)、オリジナルの「黒烏龍茶2ℓ」(89円)などを販売する。
飲料の中で力を入れているのがエナジードリンクだ。「レッドブル」や「モンスターエナジー」など各メーカーの商品を9尺4段で展開し、35品目を扱う。コーヒー飲料にも力を入れる。3尺6本の展開で、ボトルが35品目、缶が12品目、パックは46品目と容器別に陳列している。とくに充実させているのが1ℓのパックで「成城石井」「キャラバンコーヒー」「ヒロコーヒー」などを幅広く扱う。嗜好飲料では新たにオリジナル商品として丸山珈琲「ボトル珈琲330ml」(599円)を発売していた。
麺は売れ筋商品に絞った。袋麺は「サンヨー食品・サッポロ一番みそ5袋」と「東洋水産・マルちゃん正麺5袋」を各333円で販売。カップ麺では「日清食品・カップヌードル」(149円)、「東洋水産・緑のたぬき」(99円)などを価格訴求していた。
調味料ではアウトドアスパイスを3尺1本で展開し、「ろく助塩」「バカまぶし」「マキシマム」など28品目を販売。たれは売れ筋のナショナルブランド(NB)商品に加え、グループ企業の丸越醸造(埼玉県/小川学社長)が製造するオリジナル商品、全国から集めた地方の銘品など、幅のある商品構成で、カテゴリー別にめりはりを付けて販売している。ドレッシングとたれは新たにチルド売場を導入した。
菓子売場は隣接する「無印良品」の菓子売場の対面5レーンで売場を展開。グミはガムやキャンディーと連動させ、キッズ関連で売場をまとめている。菓子大袋は27尺7段で展開し、約100品目を扱う。調査日は「ロッテ・チョコパイ9個」(279円)、「不二家・カントリマアム19個」(209円)、「明治・ベストスリー135g」(259円)、「正栄デリシア・サク山チョコ次郎96g」(179円)などをよりどり3個555円で販売していた。菓子は売れ筋商品をベースに定番商品を重視しているようだ。
自社競合でも方向性は明確?
開店後約1カ月の調査日、競合店である「そうてつローゼン港南台店」と「イオンフードスタイル港南台店」の売場を見ると、生鮮食品を中心に“ロピア対策”が取られていた。その一方、ロピアの港南台バーズ店の売場は落ち着いた印象で、近隣の店舗があることもあってか、お客もロピアでの買物に慣れている様子だった。地元・神奈川県地元では、「何が売れるのか」「何を売ればいいのか」を熟知しているようだ。
関西のロピアの店舗を見ると、男性客が中心となった買物をしている光景をよく目にするが、今回の港南台バーズ店でも男性客が積極的に買物に参加しているのが目についた。ロピアには男性客をくすぐる魔力があるのか、食品スーパーではあまり見られない光景である
また、港南台バーズ店は、日配などを一部の部門をのぞいて全体的に利益よりも売上確保に力を入れている印象を売場から受けた。地域の中心地の駅前でバスターミナルもある立地だからか、価格設定は近隣の港南台店よりも安く、自社競合を意識せずに売上確保をめざすという意志が伝わってくる。自社競合の中にあっても、個店で方向性が明確であるようだ。
(店舗概要)
所在地 神奈川県横浜市港南区港南台3-1-3 港南台バーズ地下1階
開店日 2023年12月5日
売場面積 約600坪(歩測)
営業時間 10:00~20:00
駐車台数 850台