「PLUS」業態の最新店「肉のハナマサPLUS 押上店」をレポート!

榎本 博之(経営コンサルタント事務所 アズライト代表)
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精肉では量目ごとに価格差も

 精肉は多段の冷ケース48尺と平台2台を使用している。精肉は壁面に沿って豚肉、牛肉、鶏肉の順で展開されている。売場中央では加工肉と味付け肉を展開している。平台では1台は精肉の特設コーナーとして重点商品の拡販を実施し、もう1台は冷凍食品でまとめられ、レンジアップの即食ミールやスープ、ハンバーグなど多彩な展開を行っている。

 精肉コーナーは視察当日が「29(肉)の日」だったこともあって、容量1㎏を超えるジャンボパックを下段で大々的に展開していた。豚肉においてはパックのサイズが大・中・小とあり、それぞれのユニットプライス(単位価格)に差をつけている。100ℊ当たり10~30円程度の差をつけており、量目の多いアイテムのお得感が強くなっている。

 多くの商品が店内加工となっており、鮮度や商品化に対する肉へのこだわりを打ち出している。ブランド肉の扱いは少なく、産地による違いが中心となっている。精肉は全体的に国産よりも輸入アイテムが多く、豚肉ではアメリカ産、フランス産、メキシコ産が中心になっていた。

 多段ケースの上段では最近他店でも導入が増えている塊肉のディスプレー展開を実施していた。他店では牛肉で行うケースが多いが、ハナマサでは豚肉で行われている点が違いであった。

 牛肉はステーキ用途から焼き肉、バーベキューの流れで構成している。焼き肉とバーベキュー用途においてはお得感を演出するためにラベルに「焼肉屋さんで約2~3人前」とボリューム感と値頃感を合わせて訴求している。また、焼き肉用途においては豚肉を併売して価格幅の調整を行っている。

米国産の牛タンスライス(100g当たり798円)。バーベキュー用途を想定し「焼肉屋さんで約2~3人前」と表示して、ボリュームがあり安いと思わせる演出をしている

 鶏肉はパックのサイズが限定され、ほとんどが大パックの1サイズのみの展開となっている。大容量サイズはアウトパック加工の真空パッケージを中心とした構成で、作業負担の軽減と効率的な売場づくりへの意識している。

 また、精肉売場から離れる形で、加工食品のコーナーで冷凍精肉や塊肉を幅広く取り扱っている。既存のハナマサ業態の業務用用途にも応じた品揃えはしっかりと確保して展開している。

 後編では鮮魚売場をレポートするとともに、同社の売場づくりについて考えてみる。

(店舗概要)
所在地 墨田区押上1-12-8 押上一丁目ビル1階
契約面積 約175坪
開店日 2024年5月29日
営業時間 24時間営業
駐車場 なし

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