新店速報!群馬2号店、ツルヤみどり店にみる売場の進化とは?
群馬のMD続々注入 PBなしでも独自性の高い売場を作る方法!
次に平場の売場をみていきたい。全体的に、長野県のツルヤというイメージをそのままに、群馬県のMD(商品政策)をどんどん追加し、地域に密着した品揃えをしようというバイヤーの意気込みが伝わる。
日本酒のプライベートブランド(PB)はいずれも長野県の酒蔵が製造したものだが、「上州地酒」コーナーを大きく撮り、赤城山、春名山、谷川岳、吉乃川、聖徳といった銘酒を揃える。乾麺では、同じくPBではないものの、同店のあるみどり市に本部を置く星野物産の「彩り華やか絹そうめん」などきめ細かく地場商材の発掘に努めている。
また、袋めんの棚割りをみても、売れ筋中心の多くのスーパーマーケットとは一線を画している。千葉県で熱烈な人気を誇る「アラビヤン焼きそば」、長野県のご当地インスタントラーメンの「ボンちゃんラーメン」などが目立ち、必ずしもPBでなくとも、ローカルブランドやナショナルブランドで独自色の強い売場が作れることを教えてくれる。
和日配では群馬県色がところどころで強く出る。全国生産量の約9割を占める「こんにゃく王国」群馬。PBのこんにゃくも群馬のメーカーに委託したものが豊富に並び、板こんにゃくだけでなく、つきこん、しらたき、玉こんにゃくなどを開発している。
ツルヤは和日配や加工食品、菓子、冷凍食品などでPB商品が目立つが、実は生鮮品や生鮮由来の商品もPB化してその独自性を際立たせている。
その例を2つ挙げる。1つ目は青果のアボカドだ。ツルヤ契約農場直送のアボカドは「通常よりも樹上で長く熟成することでコクのあるうまみを引き出してあります」と謳う。サイズも大きく、アボカドでも差別化ができることを教えてくれる。
2つ目が、インストアベーカリーの名物商品「牛乳パン」に塗られているクリームを商品化した「牛乳パンのバタークリーム」だ。ローソンの「プレミアムロールケーキのクリーム」と同じ発想だが、バイヤーの「名物商品の味をもっと家庭で楽しんでほしい」という思いが伝わる。
全体的には群馬県2号店ということもあり、お客はみな「勝手知ったる」店という具合に、比較的落ち着いた買い方をしていたのが印象的だった。
なお、同店オープンに伴う国道50号線の渋滞はすさまじいものがあり、当日朝10時半ごろにはすでに4㎞ほどの渋滞となっており、同じ50号線沿いにある競合のフレッセイ赤堀店のはるか先まで車は連なっていた。
ツルヤの群馬戦略は極めて順調に進んでいると言えそうだ。