造船所跡再開発のラストピース、「豊洲セイルパーク」の商業エリアをレポート!

取材・文:西岡 克(フリーランスライター)

「ワイズマート」は黒を基調とした小型店に

 1階には物販店舗として、SMの「ワイズマート豊洲セイルパーク店」(以下、セイルパーク店)と、「セブンイレブン」が出店する。

「セブン-イレブン」発祥の地とされる豊洲に、晴海通り側の入口近くに出店。日用品や食品、飲料、スイーツなど、標準的な品揃えだ

 このうちセイルパーク店は、千葉・東京・神奈川で約40店舗を展開するワイズマート(千葉県/吉野秀行社長)の運営。売場面積は約100坪と小型ながら、生鮮食品・一般食品・米・家庭用品・総菜・寿司・酒類など、ベーカリー以外の主要なカテゴリーを網羅する。黒を基調としたシックな内外装が特徴で、同社の標準店とは異なる落ち着いた雰囲気を演出している。

 ワイズマートの平均売場面積は約170坪。近年は、今年3月にオープンした「平井店」(東京都江戸川区)をはじめ、100坪前後の小型店舗において今回のような内装デザインを導入するケースが増えている。

ワイズマートの25年2月期の売上高は501億円。「西葛西店」(東京都江戸川区)や「北綾瀬店」(東京都足立区)などの小型店のうち、最近オープンした「平井店」では新しいタイプの内外装を採用している

 商品面では、生鮮三品と総菜を強化。山梨県産の糖度が高い桃「信玄」や、くちどけのよい「国産和豚もちぶた」、生の本マグロなど、品質にこだわった食材を揃える。総菜では、店内調理による「浦安☆メンチ」「浦安☆から揚げ」「国産鶏団子の甘酢がけ」「手鍋で仕上げたロースかつ丼」など、独自商品を中心に展開。総菜全体の67割が店内調理だという。

「ワイズマート」は生鮮品や総菜に力を入れる一方で、小型店でも加工食品や冷凍食品をしっかりと揃える

 周辺には高層マンションが建ち並び、比較的所得の高い住民も多いと見られるが、価格帯は標準店と同水準を維持している。

 また、同フロアにはサービステナントとして、子ども向けの「ネイス体操教室」、ピラティススタジオ「クラブ ピラティス」、東京・青山で人気の美容室「リード」、犬のトレーニングを行う「ブラウン」などが出店し、多様な来館目的に対応している。

「ネイス体操教室」は、イオンモールやゆめタウンなど全国に100カ所以上を展開。2~3歳の未就園児向けの「キッズクラス」や、小学2年生から大人までを対象にした「バク転教室」も実施している
「クラブ ピラティス」は、体幹を鍛えるための低負荷エクササイズを繰り返す専用マシンを用いたピラティススタジオ。初級者から中級者、ストレッチ中心など8種類のクラスが、4段階のレベルで構成されている
「ブラウン」は「中目黒店」(東京都目黒区)に続く2号店で、「わんこのようちえん」と称し、トレーナーが犬の個性に合わせたトレーニングを行う。施設内にはホテルやドッグランも併設され、サロンではシャンプーやトリミングも行う

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