百貨店の婦人服売場で異変!?高島屋がジュンとのコラボショップを立ち上げた理由

2024/04/10 05:59
堀尾大悟
Pocket

百貨店やセレクトショップとアパレルブランドとのコラボといえば、商品企画を協業で行う「別注」などが定番だろう。ところが、近年ではその別注を超えた「協働での店舗運営」のコラボが生まれている。大手百貨店・高島屋と、「ロペ」などのブランドを展開する大手アパレルメーカー「ジュン」のコラボによるライフスタイルショップ「moi salon et rope’(モア サロン エ ロぺ)」だ。2023年5月の大阪店を皮切りに横浜店、京都店と3店舗を展開し、従来の婦人服売場の常識にとらわれない自由な店舗運営を行っている。

この業態・立場を超えたコラボに乗り出した背景には何があるのか。仕掛け人である高島屋MD本部 部長で婦人服・婦人雑貨などを統括する嶋廻由希子氏に聞いた。

従来の百貨店とは一線を画した商品展開

高島屋JUN店舗カジュアル
百貨店では動きの少ないカジュアルアイテムも人気

 高島屋横浜店4階、婦人服フロアの一角に、2023年6月にオープンした「moi salon et rope’(モア サロン エ ロぺ)」はある。

 外観は普通のレディースブランドショップと変わらないように見えるが、店内に入り個々のアイテムに目を留めるとその違いがわかる。オンタイムで着るジャケットやシャツだけでなく、オンオフ問わず着られるアイテムや、ジャージ素材などカジュアルだが上品に見えるアイテムなど、従来の百貨店のMDとは一線を画した多様なアイテムを取りそろえている。

 「従来の百貨店ではカジュアルアイテムはあまり取り扱ってこなかったが、一定以上の年齢のお客さまの中には、ストレスを感じずにおしゃれを楽しみたいというニーズも高い。キレイ目に見えるが着心地のよい服、無理をせずにおしゃれを楽しめる服を用意している」(嶋廻氏)

 「モア サロン エ ロぺ」は、ジュンの「ROPE’(ロペ)」と「SALON adam et rope’(サロン アダム エ ロペ)」の2つのブランドをミックスした、高島屋限定のライフスタイルショップだ。

 アパレルだけでなく、店舗の中央にはライフスタイル商材を展開するスペースを用意。この日(取材日は12月中旬)はクリスマス商戦中ということもあり、独自にセレクトしたオーナメントを販売。その他の通常月には食器類などの雑貨類、フレグランスなども展開し、季節に応じたポップアップショップも設けている。

 また、横浜店限定の別注アイテムや、高島屋がセレクトしたアイテムも揃えるなど、横浜店ならではの独自性の高い店舗運営を行っている。

1 2 3 4

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態