ついに東北にも進出! 「ロピア仙台ヨドバシ店」の売場を徹底解説!
ロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)が東北エリア1号店となる「ロピア仙台ヨドバシ店」(宮城県仙台市)を8月22日にオープンした。2023年6月には九州1号店を出店するなど新エリアへの出店が続く同社。「東北の玄関口」と言われる仙台市中心部の一等地への出店となった同店ではどのような売場づくりをしていたのか。
調査日:9月24~26日 ※本文中の価格はすべて本体価格

仙台エリア出店は首都圏の延長?
ロピアが出店した仙台ヨドバシ店は、JR「仙台」駅東口から歩行者用デッキで結ばれる「ヨドバシ仙台第2ビル」の3階部分にある。宮城県仙台市は、東北唯一の政令指定都市で人口は約110万人、まさに東北の経済の要と言える都市だ。
ロピア仙台ヨドバシ店オープンに先立つ23年6月、家電量販店大手のヨドバシカメラ(東京都/藤沢和則社長)は「ヨドバシ仙第2ビル」で営業していた「ヨドバシカメラ マルチメディア仙台」をJR「仙台駅」直結の「ヨドバシ仙台第1ビル」に移転。その跡地の一角にロピア仙台ヨドバシ店が入った格好だ。施設内および施設周辺には、専用駐車場が4つあり、合計駐車台数は約1600台を誇る。
早速売場を見ていこう。筆者歩測によるロピア仙台ヨドバシ店の売場面積は約450坪で、標準と比べるとやや狭く、売場配置も変則的となっている。壁面ではなく売場内に総菜と鮮魚米飯の作業場があるため、ロピアの売場をよく知っている業界関係者が見れば、全体的に窮屈な印象を受けることだろう。天井高も低く、売場づくりには相当苦労したことと思われる。

商品構成では、「日本酒」「味噌」「練物」「牛肉」「鶏肉」などで地域対応が見られたものの、全体的にはそれほど目立たっていない。ナショナルブランドを中心とする売れ筋商品、利恵産業や丸越醸造、ユーラスといったグループ企業が製造・輸入するオリジナル商品、厳選されたメーカーや生産者が供給するこだわり商品の3つが中心の、首都圏の既存店を踏襲したスタイルで、手堅い印象の売場となっている。
精肉の牛肉・豚肉を見ても、ロピアの「草加プロセスセンター」から納品した商品も見あれ、青果の果実も東京都大田区の「東京都中央卸売市場 大田市場」からの商品が多く、商品仕入れも首都圏にある既存店と共通であるようだ。首都圏のロピアのセンターやドミナントから仙台までは、クルマで最短約3時間半~4時間でアクセスできるため、仙台地区は首都圏でのエリア拡大の延長として出店していくのかもしれない
ロピアの「イメージ」を形成する青果売場
売場に目を戻すと、先述のとおり生鮮ゾーンは約200坪(歩測)のスペースで展開しており、売場スペース構成比では全体の33%を占める。生鮮4部門のスペース構成比では、青果が40%、鮮魚が18%、総菜が10%、精肉が32%で、精肉と鮮魚が既存店と比べると狭い。

青果の売場配置は標準スタイルで、最前面の幅22尺の平台で、開店1カ月間の催事として、「東京大田市場直送」と銘打ち、山梨産の「大房シャインマスカット」1房(1111円)、岡山産「シャインマスカット2房セット」「ピオーネ盛」(各2000円)など旬のブドウ・シャインマスカットを大きくアピールしていた。開店時、先頭に並んでいた婦人に話を聞くと、このブドウを目当てに早くから店舗にやってきたそうで、強い目玉商品が持つ「集客力」を改めて感じさせられた。
主通路沿いでも24尺で、「梨・豊水4個」(1000円)、「アールスメロン」(1111円)、など果実のほか、冷蔵ケース20尺で「レタス2Lサイズ」(190円)、「もやし400g」(40円)などを販売。全体的に機能的な売場配置となっており、とくに野菜は各エンドに驚くような価格訴求商品を配置しており、単品の訴求力が強く、お客も思わず手が伸びてしまっているような印象だ。購入者が多い。この青果売場こそ、「鮮度」「安さ」「ボリューム感」といったロピアの生鮮食品全体のイメージを作っていると言っても過言ではないだろう。
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