岡田尚也社長が語る ビオセボンが駅ナカに出店を始めた理由
気軽にオーガニックの魅力を知ってもらう
さらに、同店で拡充したのが「小型スナック」だ。レジに続く壁面には、バータイプや小袋入りの菓子を幅広くラインアップ。路面店よりも、単価の低い商品を揃えることで、気軽にオーガニック商品を購入してもらえるように工夫している。
そのほか、ビオセボンが力を入れる青果や日配品、量り売りのナッツは、限られた売場面積ながら「ビオセボンを象徴する商品」として品揃えしている。
これまでビオセボンは、青果や日配品といったふだんの食卓のためのオーガニック商品の販売を強化し、それにより来店頻度を高める店づくりを行ってきた。
一方で同店は、生鮮食品や日配の品揃えは最小限に絞り、手軽に購入できる総菜をはじめスイーツ、小型スナックを充実。「客単価は最も低く、来店客数は最も多い店になる」(岡田社長)と想定しており、これまでと大きくねらいの異なる店であることがわかる。
ビオセボン・ジャポンは20年までに数十店舗体制を構築するという目標を明らかにしている。この積極出店の先にイオングループが見据えるのは、日本でのオーガニック市場の拡大だ。そんななか同店は、幅広い客層の利用が予想され、手頃な価格で商品を購入できることから、ビオセボンやオーガニック商品の認知度拡大につながりそうであり、「サテライトショップ」のような役割が期待できそうだと感じた。
ビオセボン・ジャポンは今後、新たに駅ナカに出店する具体的な計画はまだないという。岡田社長は「サイズや立地を見極めながら、路面店にとどまらず、さまざまなかたちでオーガニックを提案できる柔軟な店づくりをしていきたい」と語る。オーガニック市場の開拓に向けてイオンは挑戦を続けている。
【店舗概要】
店舗名 ビオセボン明治神宮前メトロピア店
所在地 東京都渋谷区神宮前1-18-22 明治神宮前〈原宿〉駅構内
営業時間 平日・土7:30~22:00/日祝9:00~21:00
売場面積 26.6坪
従業員数 10人(うち正社員2人)
駐車場 なし