アクシアル、好調要因は総菜にあり! 「原信安曇野店」に見る、強さの秘訣
「家飲み」を促す
ユニークな商品
家飲み需要に対応した商品開発が進んでいるのも特徴だ。たとえば、お酒のつまみになるとともに、野菜も摂取できるカップ入り総菜を「ちょいベジおつまみ」シリーズとして販売。コンビニエンスストアで近年、開発が進んでいるカップ入り総菜からヒントを得て開発したもので、食品スーパーの強みである、鮮度の高い野菜を豊富に使用してコンビニと差別化を図る。
また総菜売場では、自家製燻製の「SMOKED DISHES」コーナーを設置。店内でスモークしたししゃもやあゆ、たこ、卵などを10SKU以上を揃えている。商品の動きはよく、また販売側としても、店内加工に手間がかからず、2~3日保存も可能でロスが出にくいという利点がある商材だ。
「ゼロ肉」で
代替肉を提案
「健康」の提案にも原信ならではの特徴がある。
安曇野店では、健康提案の一環として、総菜を含む生鮮4部門が部門横断型で開発するサラダを集積した「365×3 サラダライフコーナー」を設置している。開店日は「ホタテと海老の彩りフルーツサラダ」「だし香る里芋のポテトサラダ」といった、ユニークな商品が多く見られた。
また弁当売場では、大豆ミートを使用したメニューを、「ゼロ肉」というキャッチコピーを掲げて訴求している。以前は「野菜たっぷり もっと野菜を」というフレーズで提案していたが、大豆ミートや代替肉の認知度が高まってきたことから、購入を促せる切り口として、同店から新たに採用している。
野菜を使った
スイーツも登場!
最後に、オリジナルスイーツにも注目したい。原信は近年、嗜好性が高く、「リラックス」「癒し」を提供できる商材としてスイーツの開発に力を入れてきた。安曇野店では、青果部門の素材を使用したタルトを初めてコーナー化。その隣では、果実や、野菜であるトマトを使った杏仁豆腐も提案し、売場で注目を集めていた。
このように原信は、コロナ禍でとくに消費傾向が大きく変わった総菜において、変化に迅速に対応して、かつ積極的にトレンドも取り入れ、即食ニーズを開拓できるような商品開発を実践している。この姿勢こそ、アクシアルの好業績を後押ししていると考えられ、その他の食品スーパーにとっても学びの多い取り組みと言えよう。