ネットとリアルの融合、
デジタル・マーケティングの革新、
O2O、ビッグデータ分析の最前線
カスタマー・エクスペリエンスを実現するリアルタイム・リテーリング

2013/07/02 00:00
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電子チラシの「24時間365日化」は当たり前に

 

 電子チラシならば制限がない。イトーヨーカドーは月間40本の電子チラシを配信している。つまり1日に1本以上ということだ。また前の晩に翌日のチラシを配信するケースもある。この機能はとくに告知しなかったのだが、ユーザーには浸透している。従来の「Shufoo!」は午前10時が閲覧のピークだったが、今では午後10時以降に翌日のチラシを見るユーザーが増えている。24時間化で求められるのは、タイムリーな情報発信。「Shufoo!ミニチラシ」で実現しているミニチラシは、店長レベルに権限を与えることで夕方に見切り商品の特売情報などを配信することを可能にした。もはや52週で組み立てたマーケティングではなく、変化する毎日を対象にしたマーケティング戦略の構築が不可欠と言ってもいいだろう。

 

 今後も「Shufoo!」の機能拡張は続けていかなければならない。扱っている商品アイテム数が4万点、その中でチラシに掲載できるのは400点程度、しかし顧客が欲しい商品はわずかに数点である。顧客に刺さる情報を発信し続けるためには、十人十色のマーケティングを実践しなければならない。これもスマホ起点ならば十分に実現可能。また、電子チラシを見て実際に来店したのか、購入したのかというデータを収集する仕組みも考えている。

 

 ひとつには音声認識や画像認識技術の活用や、スマホのアプリを起動しておけば人の耳には聞こえにくい周波数の音波を流すことでスマホが反応し、来店ポイントが加算できる仕掛けも考えられる。その一例として凸版印刷のO2Oソリューションとして、Bluetoothを使ってスマホと自動交信する「Cylsee(シルシー)ジオ」がある。店舗内や店舗の近くに来ればスマホと交信して情報配信や来店誘導が可能になるというものだ。

 

「Shufoo!」を分析ツールとしても活用できるように

 

 デジタル・マーケティング基盤としての機能では、IDポストによるパーソナルサービス配信にも期待できる。すでにカルチュア・コンビニエンス・クラブと連携し、「Tポイント×Shufoo!」アプリをリリースした。これによって、「T会員」の属性に応じて、配信する情報を選別して電子DMが配信できるようになる。例えば電子DMを配信する企業が、年齢や性別、住所などでターゲットを限定する場合、カルチュア・コンビニエンス・クラブが持つ個人情報から配布先を絞り込むことが可能だ。もちろん個人情報を扱うのではなく、属性に応じたターゲットとして提供を受ける形になる。今後、カルチュア・コンビニエンス・クラブ以外にも多数の会員を保有する企業と提携することも考えている。

 

 スマホの普及でO2Oへのシフトは加速する。そのために流通の24時間365日のマーケティングは、顧客のロケーションやタイミングなどを判断して送客からクロスセル、さらに再送客という循環を構築していくことが重要だ。そのためのキーデバイスとして、普及が進むスマホへの対応を主眼としていかなければならないだろう。

 

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