ネットとリアルの融合、
デジタル・マーケティングの革新、
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2013/07/02 00:00
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2011年からビジネスモデルの変革に着手

 

 順調に拡大している中で、変革を起こさなければ衰退していく可能性もある。そこで2011年に従来からの閲覧パワーを強化することに加えて、収益モデルについても大きく変更を加えて媒体化を図っている。従来の掲載料がいくらというビジネスから「チラシPV」という新しい指標を導入し、チラシを見た実績から課金する仕組みに換えた。またGISと連動したレポートを提供し、チラシ閲覧者の見える化も図っている。

 

 こうしたビジネスモデルの変革を行った背景には、生活者の大きな変化がある。個人のライフスタイルや嗜好の変化は早くて大きい。そうした個人をターゲットにする流通業は、まさに変化対応業だと思う。例えば、高齢者の新聞購読率は高いが40代をみると新聞購読率は50%程度に落ちる。これでは新聞の折り込みチラシを見る人も少なくなる。これは印刷会社としては非常に厳しい状況だとも言える。印刷物としてのチラシの70%は見られずに廃棄されているというデータもある。

 

最大の変化はスマホの急速な普及

 

 生活者の情報接触の変化で大きいのが、スマホの利用。今年中にはスマホの台数が7500万台を突破すると言われており、もはやスマホ対策なくしてマーケティングを語ることはできなくなっている。我々のアンケートの結果では「Shufoo!」ユーザーの中で、スマホを利用している人で新聞を読まない人は約75%。スマホユーザー以外で、今後スマホに買い換えたいという人は55%を占めている。それだけスマホを活用して情報を収集、利用する人が増えているわけだ。

 

 流通業の変化では、スーパーやGMSにとってはドラッグストアやホームセンターなど競合店が日替わりで変わるなど、業界をまたいだ戦国時代にあると言えるだろう。さらにコンビニに対抗して早朝や深夜営業など開店時間の延長、ネットスーパー参入など戦場は24時間化している。またネット通販では在庫確認もできる機能が提供されるなど、リアル店舗を買いまわらなくても済む便利さからも顧客の支持を受けているのが実態だ。

 

 こうした変化に対応していくために重要になるのが、コミュニケーション施策である。当初、「Shufoo!」は新聞折込チラシを補完する存在だった。しかし電子チラシに加えて情報を電子ポストにプッシュ配信することで独自性を打ち出してきた。そして先ごろイオンが高いテレビ広告を使って「今週末、総合スーパーからチラシが消える」と宣伝したように電子チラシへのシフトを明確に打ち出し、電子チラシへの移行を進める企業も出てきている。流通業では電子チラシをメインとし、スマホで閲覧しやすいように、横長の電子チラシを作る企業もある。最初は東急ハンズが実用化し、その後続々と横長のチラシを導入している。

 

 

 

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