ネットとリアルの融合、
デジタル・マーケティングの革新、
O2O、ビッグデータ分析の最前線
カスタマー・エクスペリエンスを実現するリアルタイム・リテーリング

2013/07/02 00:00
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数千万人に、おもてなしを、全自動で提供

 

 消費者が求める個人コンシェルジュとしての機能は「おもてなし」と言い換えてもいいだろう。例えば昔ながらの魚屋の主人は、常連客との会話や過去に買った魚から、好みや家族構成、財布の具合などを総合的に推し量って、今日買うのに最適な魚を提案(=おもてなし)している。一方で魚屋は、今ある商品在庫を常に頭に入れていて、どの商品を誰に提案するかを考え、結果的に全てが売り切れるように工夫している。

 

 このデマンドとサプライのマッチングは、流通業のみならず、あらゆるB2C業種の基本機能だが、そのマッチングは個人商店の魚屋ならば経験や勘で対応できるが、顧客の数や商品アイテム数が膨大な現代のB2Cビジネスでは、人間には対応できない。これを解決するのがデジタル・マーケティング・システムである。

 

1to1マーケティングのメリットは値引きに限らない

 

 スマホを活用したケースでは、仏の大手スーパーであるカシーノ社と2年前から実証実験を行っている。1 to 1マーケティングでは、いくら購買履歴を分析しリコメンド商品を洗い出しても、レジまで来てしまってはすでに遅い。顧客の購買行動に影響を与えるためには、売場で商品を手に取る前にリーチしなければならない。そこでカシーノとはiPhoneアプリ「mCasino」を開発。「お買い物リスト」機能を提供し、買う予定の商品を入力しておくと、これに顧客の嗜好や購買履歴を加味して、セール品や割り増しポイントなどパーソナライズされたリコメンドを提供する仕組みを導入した。

 

 個客ひとりひとりのニーズに合わせてタイミングよくリコメンドすることができれば、クーポンのような値引きを提供しなくても、顧客は喜んでくれる。結果として客単価の向上や、買い忘れの防止、クロスセルやアップセルにつながる。
結果として、顧客にとっては買物が楽になり、かつお得感を高めることができる一方、店舗にとっては囲い込みにつながる効果が出ている。また、こうした情報を蓄積することで、顧客個人を対象にしたマーケティングに関する詳細なデータが収集できる。それもリアルコマースで実現していることがポイントである。

 

 

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