ネットとリアルの融合、
デジタル・マーケティングの革新、
O2O、ビッグデータ分析の最前線
カスタマー・エクスペリエンスを実現するリアルタイム・リテーリング
Yahoo! JAPANと業務提携しネットとリアルの融合を推進
これまで提携企業を増やすことで会員数も伸びてきた。給油でもポイント、コインパーキング利用でもポイント、ユニークな例ではスルガ銀行ではカードローンに「Tポイント」を活用しており、返済にも「Tポイント」を使うことができる。またメーカーにも提携企業が広がっている。そして現在取り組んでいるのが、大手企業の提携から地域への展開だ。武雄市図書館もその一例。さらにYahoo! JAPANと12年6月に資本・業務提携で合意した。Yahoo! JAPANとは10年7月に包括的業提携に乗り出したが、今回はそれをさらに強化・発展させた形となる。
Yahoo! JAPANではネット通販よりヤフオクの方が売上規模は大きい。従来、Yahoo! JAPANが扱っていた独自のポイントプログラムを、全て「Tポイント」に切り替えることにしており、システム統合を終えて7月から「Tポイント」に統一されることになっている。これによりヤフオクのようなC2Cの取引でも、ポイントが加算されるようになる。「Tカード」のアクティブ・ユニーク会員が約4500万人、Yahoo!のアクティブIDが2800万。もちろん重複している会員もいるため、単純に足し算はできないが、今後6000万人まで会員数が増えると考えている。
ネットとの融合はO2Oマーケティングには不可欠となる。ネットで情報を検索してリアル店舗で購入するという消費者は多く、Online to OfflineのいわゆるO2Oが重視されている。我々としては、そのほかにもOnline to Online、Offline to Online、Offline to Offlineの3つがあると考えている。ネットとの融合であらゆるシーンに対応できると判断した。メールやネット広告による店舗への送客だけでなく、「Tサイト」や「Tモール」からネットサービスへの送客、POSクーポンによるネットサービスへの送客、クーポンやPOSクーポンによる店舗から店舗への送客などだ。この場合、エリアアライアンスとして地方の中小店舗の加盟店数が増えることで、「Tカード」のデータから分析したPOSクーポンを発行し他の店舗に送客するという効果が期待でき、地域の活性化にも貢献できるだろう。エリアアライアンスの店舗数は12年度末で4812店だが、13年度末には倍増以上の1万店を目指している。
提携企業にとっては情報漏えいリスクがないことがメリット
「Tカード」をマーケティングツールとして使用するために、参加企業に対しては我々のDBにあるデータを分析用に開放している。約4500万人分のデータを我々は保有しており、日々新しいデータが集まってくる。こうしたデータを要望に応じてカスタマイズして提供する機能を持っており、参加企業にとってはCCCでデータを管理しているので自社で個人情報を保有しないために情報漏えいリスクが軽減できるというメリットもある。また個人情報を格納したDBとポイント情報のDBは分けており、その点でも安全・安心を担保できている。
こうした「Tカード」のデータを活用することが、O2Oマーケティングには不可欠となる。データを解析してみると、これまで勘と経験から導いていた事が、事実とは異なるということを発見する場合も少なくない。参加企業が拡大し、それも大手流通企業だけではなく地域の流通業にも浸透し、さらにメーカーにも範囲が広がることで、より多くのデータを収集し分析が可能になる。その結果として対象の「T会員」へ直接リコメンドすることで提携企業への送客が促進されるとともに、「T会員」にとってもより顧客価値の高い情報やサービスを得られることになる。