ネットとリアルの融合、
デジタル・マーケティングの革新、
O2O、ビッグデータ分析の最前線
カスタマー・エクスペリエンスを実現するリアルタイム・リテーリング

2013/07/02 00:00
Pocket

SESSION1

「ネットとリアルの融合による『Tポイント』の取り組み」

 

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 常務取締役

北村和彦 氏

 

「Tカード」のアクティブ・ユニーク会員数は1年で500万人以上拡大

 

 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が全国に展開するTSUTAYAは当初ビデオレンタル店として創業し店舗数を拡大してきた。そのレンタル会員証として発行してきたのが現在の「Tカード」である。現在、TSUTAYAは全国に1470店舗あり、昨年度の実績でレンタル売上では国内トップの1837億円、書籍の販売も全国トップの1097億円などとなっている。TSUTAYAでのDVDレンタル枚数は2012年度が7億5540万枚となった。映画館の入場者数はここ数年1億数千万人台でほぼ横ばいの推移だが、DVDレンタル数は1人あたりの枚数が29枚で過去最高となるなど順調に拡大している。

 

 レンタル会員に向けの発行から始まった「Tカード」だが、発行枚数だけならばすでに日本の人口を上回る1億4000万枚以上。それに対して直近一年間に「Tカード」を利用いただいているアクティブ会員、かつ複数枚お持ちの方は一人として数えたユニークな会員数は13年5月末で4560万人で、1年前に比べ515万人増えている。会員数が伸びている理由として、レンタル会員証としての機能だけではなく、クレジット機能を搭載したカード、ポイントカードとしてポイントを貯めるシーンが増えていることが挙げられる。

 

 

佐賀県武雄市の図書館でも「Tカード」が利用可能に

 

 ポイントアライアンスは全体では100社・団体、5万8254店舗あり、そのうちポイントが貯まるのが35社、貯めて使えるのが41社、ポイント交換が24社などとなっている。コンビニではファミリーマートが提携しており、スーパーやドラッグストアの提携企業も増えてきた。従来はTSUTAYAだけが「Tカード」を発行できたが、今では36企業、2万8655カ所で発行可能になっている。提携数で100社・団体と言ったが、最後の団体と言うのは佐賀県武雄市である。その武雄市図書館で4月から「Tカード」が利用できるようになった。

 

 武雄市図書館では、蔵書約20万冊のうち半数程度しか貸出していなかったが、我々が運営に乗り出したことで全ての蔵書の貸し出しを可能にした。さらに本来なら書籍を貸すのが図書館の役目だが書籍・雑誌販売も行っており、図書館の中にはスターバックスも設置した。また、貸出用にセルフレジも導入し、貸出料金は無料だがセルフレジを使用することで省力化に貢献したということで3ポイントを取り加算する仕組みも入れている。それまで武雄市図書館の利用者は1か月2万人程度だったが、4月以降は月間10万人程度まで増えた。また図書館利用登録者のうち「Tカード」を利用した人数は1万3000人にのぼる。

 

 T会員の年代別構成をみると、当初のレンタル会員証の頃は20代から30代が中心だった。提携企業が増えたことで、例えばカメラのキタムラが加わった時には30代から40代の子供を持つ主婦層が増え、さらに趣味を楽しむ50代以上の男性も加わってきた。スーパーの提携企業が増えれば比較的高齢の女性会員が入ってきて、コンタクトレンズの販売会社では女性中心、ファミリーマートでは20代以下から未成年までといったように、アライアンス企業が増えたことで日本全体の人口クラスターに近くなっている。20代では人口の69.3%、30代では58.7%、40代では53.6%、50代39.8%、60代でも24.4%とまで拡大した。県別では、最も保有率が高いのが沖縄県の52.8%、鹿児島県51.9%、茨城県50.6%などが続く。これらの県では県民の2人に1人が「Tカード」を持っているわけだ。また50%以上の県では20代の会員化率が90%以上となっているというデータもある。

 

 

1 2 3 4 5 6 7 8 9
© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態