日配部門23年の商品政策提案!消費者目線の独自商品開発・開拓の方法とは
感染者数の減少にはまだまだ時間がかかるものの、コロナ禍初期の行動制限は解除され、徐々に元の日常に戻りつつある昨今。しかし日配部門には、産地開発や若年層の取り込み、ロス削減などさまざまな課題がある。本稿では、ニューノーマルに向けたこれらの課題の対応策を解説する。
産地の現状をつかみ、消費者目線の商品開発を
ポストコロナ時代に突入しつつあるなか、かつて経験のないほどの値上げが続いている。為替相場や国際情勢の不安定さも相まって、なかには調達ができなくなっている商品も散見される。
和日配では、2022年秋より気温の低下もあり、単価アップのぶん売上は改善傾向にあるとバイヤーからも耳にしてきた。単価を上げた商品群もあれば、量目を減らして値ごろを演出するリニューアルの商品も見受けられたのが22年の秋から年末の出来事である。
秋の棚替えと品揃えをみると、非常に日配部門に危機感を覚えた。まったくオリジナリティがなく、単なるメーカー任せの売場になっている。多店舗展開しているチェーンなどは、カテゴリーによってはほかに大量生産できるメーカーがないからといって、品質度外視で練り物や豆腐類などをリニューアルしたり、ブランドスイッチを行ったりした店舗も多い。たとえば22年秋にはすり身の価格が上昇したため、和日配の秋冬のメーンであるおでん売場が様変わりした。レトルトのおでん商材が目立ち、単品おでんは容量の変更、あるいは品質や味の低下がみられる。これは中期的にみるとスーパーマーケット(SM)のおでんコーナーの人気がますますなくなる危機的状況といえる。
おでんに限らず、独自性のある商品開発をする際には自社の店舗の消費者動向を知ることが重要だ。とくに日配部門はペルソナを意識し、価格の安さだけで買物をしている層ばかりではないことを認識していただきたい。とくにフォーカスしたいのが「地域貢献」である。
日配部門こそ地域のサプライヤーと連携して本来のマーチャンダイジング(MD)を取り戻すべきなのだ。そのコンセプトは実にシンプルである。それは「お困りごとの解消」に徹することだ。筆者の事務所のある熊本・天草では、水産養殖場で史上2番目となる赤潮被害(約2万匹)があったが、こういった地域課題の解決に貢献している商品やSDGs(持続可能な開発目標)に対応している商品、地元の食材を使うなど地域活性化につながる商品などを問屋に丸投げしてはダメなのだ。バイヤーはぜひ産地に出向いて自分の目で見て、その実情を把握してほしい。そうして五感で感じとった体験を踏まえた産地との協業が独自性を生み出すのだ。
値段にとらわれず再現性を高める
人口減少が続くなか、これからの消費の主体となる若年層に日配売場に足を運んでもらうことも重要だ。
店長必読!売場づくりと販促の教科書 の新着記事
-
2024/11/08
基本を徹底しつつ健康を意識した売場づくりで差別化を図る! -
2024/11/08
専門家がヤオコー久喜吉羽店を徹底分析!斬新な鮮魚改革と意外な課題とは -
2024/10/01
拡大続く冷食 ミールソリューションの観点からMDを構築する方法とは -
2024/10/01
トライアルら出店でスーパーマーケット超激戦区に、宮城県利府エリアの勝者は? -
2024/09/03
2024年冬の総菜MD、イベントの与件変化を丁寧にとらえ、暖冬想定と節約対応を強化 -
2024/09/03
鮮魚部門2024年冬の月別儲かるMD提案!年末商戦のポイントは?
この連載の一覧はこちら [121記事]
関連記事ランキング
- 2024-11-08怒濤の出店で1兆円が見えたロピア!大きな進化と懸念される副作用とは
- 2024-11-07「Foods Park」の17店舗目はイオンの跡地に居抜きで出店!
- 2024-11-0633億円めざすマミーマート、生鮮市場TOPセキチュー上尾店徹底解説
- 2024-11-08専門家がヤオコー久喜吉羽店を徹底分析!斬新な鮮魚改革と意外な課題とは
- 2024-10-19ゆめマート五日市の売場づくりを徹底解説!
- 2024-11-08店舗網とM&Aの歴史が丸わかり!最新ロピア勢力図MAP!
- 2024-10-25物言う株主時代に脚光!宅配以外もスゴい「生協」の事業モデルとは
- 2024-11-12価格訴求から価値提案にシフト?「岡崎エルエルタウン店」で見られたロピアの進化
- 2024-11-11現場力+標準化!繁盛店ロピア五所川原店の分析で見えた「強いまま急成長」の秘策とは
- 2024-11-06「BLΛNDE」4店目は都内初出店!東京ならではの売場演出、商品で差別化図る
関連キーワードの記事を探す
ロピア、2兆円体制に向けた経営戦略と複数のリスクをコンサルが徹底解説!
NBゼロをめざす?意識する企業は?取引先が赤裸々に語るロピアの強さと実態とは
価格訴求から価値提案にシフト?「岡崎エルエルタウン店」で見られたロピアの進化
低カロリー甘味料市場、ライトユーザーの離脱が目立ち厳しい状況が続く
即席麺市場、秋冬の需要期に向けて各社からこだわりの新商品が続々登場