三井不動産が食の研究開発拠点「&mog Food Lab」を開設した理由

阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

食の開発拠点から街の活性化へ

 「&mog Food Lab」は、単なる実証実験の場ではなく、日本橋の街との連携を強化することで、より実践的な事業支援を目的としている。

 具体的には、三井不動産の商業施設や地域イベントを活用し、入居企業に対して商品販売やプロモーションの機会を提供する。たとえば、COLDRAWは三井不動産が主催する「SAKURA FES NIHONBASHI 2025」に出店し、自社開発商品の特別販売を予定している。

 また、日本橋の老舗飲食店やラグジュアリーホテルとのコラボレーションにより、新たな商品を生み出していくことをめざす。そのほか、食品メーカー、商社、飲食店などのパートナー企業との交流を促し、カンファレンスやイベントを通じて新たなビジネス機会を提供するとしている。

 こうしたネットワークを活用することで、入居企業は事業拡大が、三井不動産としては、プロジェクトを通じて生まれた商品が自社で運営する商業施設に導入されるといったメリットが期待できる。

 今後、三井不動産は「&mog Food Lab」の2拠点目・3拠点目の開設を視野に入れる。柿野氏は、「『&mog Food Lab』で生まれた新たな商品やサービスが街に実装されることで、街の価値がさらに高まっていくのではないか」と述べる。新たな商品やサービスの市場への展開を支援し、東京・日本橋を食の発信拠点へと成長させていく考えだ。

1 2

記事執筆者

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

関連キーワードの記事を探す

© 2025 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態