カレー市場、ロングセラーブランドが市場を支え堅調に推移

石山 真紀
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日本の食卓の定番メニューであるカレーは少子高齢化や世帯人数の減少からレトルトカレーのシェアが拡大していたが、コロナ禍以降、自宅で過ごす時間が増えたことや直近の物価上昇のあおりもあり、ルウを使った手づくりカレーの価値が見直されている。

22年11月以降、前年対比数%のプラスに

 KSP-POSによると、2022年6月から23年5月のルウカレーカテゴリーの期間通算の金額PIは対前年同期比2.9%増の4568円、数量PIは同3.6%減の22.30となった。

 月別の推移をみると22年6月から10月は7月を除いて微減で推移していたが、11月以降は原材料費高騰による値上げの影響もあったからか、前年に対し5%程度のプラスで推移しており、年間の数値の底上げにつながった【図表1】。

 ルウカレーは食卓の定番メニューであり、年間を通じて安定した売上を保つカテゴリーだが、例年気温が高くなり、スパイシーな料理が食べたくなる夏場にかけて数値が上がりやすい傾向にある。しかし今回調査した期間については、年明け以降の数値が高くなっている。

カレー
コロナ禍以降、自宅で過ごす時間が増えたことや直近の物価上昇のあおりもあり、ルウを使った手づくりカレーの価値が見直されている。(i-stock/kazoka30)

 ルウカレーはだれもが知るロングセラーブランドが多く存在する。エスビー食品では創業100周年を記念し「赤缶カレーパウダールウ」を新発売。「赤缶カレー粉」の香りを最大限に生かした香り立ちと、軽やかながらも奥深くスパイシーな刺激が楽しめる味わいに仕上げている。

 一方、今年発売60周年を迎えたハウス食品の「バーモントカレー」は春に商品をリニューアル。風味のバランスを調整し、食塩相当量を1皿当たり0.1g減らす改良を行った。また本体のリニューアルに合わせ、「特定原料7品目不使用」シリーズや、カロリーオフの「プライムバーモントカレー」、「味付きカレーパウダー バーモントカレー味」のパッケージもリニューアルし、家庭の定番カレーブランドとしてあらためて訴求していく。

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