コロナ禍でも好調なチョコレート市場、小売業は今こそ生活者に寄り添った売場改革を

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局
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健康志向チョコの習慣化で大袋タイプが重要な存在に

 健康志向チョコレート市場においては、先述したように機能性(ブランド)が広がったほか、大袋タイプの購入が進んでいることも注目すべきトピックだ。図表⑥に示すように、販売金額に占める大袋の構成比は年々アップしている。主な要因は喫食の習慣化だ。

図表⑥健康志向チョコにおける大袋構成比推移

 そもそも健康志向チョコレートは、継続して食べてこそ価値がある。たとえば、高カカオチョコレートに含まれているカカオポリフェノールは体内にとどめておくことができないため、健康を心がけるなら毎日必要な分をコツコツとこまめに摂取しなければならない。そこで毎日の喫食用に買い置きできる便利な大袋が支持されているというわけだ。箱やパウチタイプでトライアルし、その価値に共感してリピーターとなり、やがて喫食の習慣化が定着し大袋へシフトする。その結果、大袋市場は年々拡大し、重要なカテゴリーに成長している。

 こうしてみると、菓子業界におけるチョコレートの存在感はますます大きくなっていることがよくわかる。しかしながら、菓子売場の実態はどうだろうか。生活者の意識や価値観に寄り添ったものになっているだろうか。

 今後コロナが収束しても、健康に対する意識は定着するといわれており、健康志向は消費行動を左右する大きな価値基準となっていくことはいうまでもない。だからこそ旧態依然の菓子売場を見直し、生活者が求めるチョコレート売場を一気に拡大したいところだ。なかでも健康志向チョコレート売場の拡充は必須だ。さらに大袋タイプの品揃えを充実させ、手に取りやすいようにコーナー化することも必要だろう。それこそが生活者のためであり、小売業にとっても人口減時代に生き残るうえで有効な施策といえるはずだ。

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