「おうち焼肉」提案徹底解説!これで21年夏の精肉部門売上はバッチリ!

文・解説=馬渕靖幸(フードサポート研究所)
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焼き肉用商材は年間を通して売上比率が高いが、売上のピークを迎えるのは9月だ。夏場は焼き肉の提案が重要な時期となる。そのため今回は焼き肉提案に特化して解説したい。コロナ禍では「おうち焼肉」「おうちバーベキュー」など3密にならない新たな需要を喚起し、売上向上のための戦略を練る必要がある。今回は、コロナ禍での取り組みが奏功し、実績につながっているローカル食品スーパー(SM)精肉部門の事例を取り上げる。

焼き肉一番店に必要なのはたれの強化

大々的に売場展開している「焼肉のたれ・ステーキソースミュージアム」
写真①:大々的に売場展開している「焼肉のたれ・ステーキソースミュージアム」

 結論を先に述べると、焼き肉商戦で焼き肉・ステーキ肉の売上地域トップをめざすために必要なのは、焼き肉のたれ・ソースの品揃えも地域一番にすることだ。写真❶からもわかるとおり、今回紹介する店舗では全国津々浦々から仕入れた焼き肉のたれ・ソースを展開している。

 焼き肉店やうなぎのかば焼き専門店において、秘伝のたれや継ぎ足しでの唯一無二のたれをウリにしている飲食店は多い。しかし、物販を行うSMでは、幅広い種類の商品を展開することが重要だ。焼き肉のたれは地域性や好みがとくに表れる商品である。全国販売しているナショナルブランドをはじめ、地元メーカーの商品、SMが開発するプライベートブランドなど、多様なたれを提案しなければならない。

 今回の店舗の「焼肉のたれ・ステーキソースミュージアム」のように圧倒的な品揃えを実現することで、お客からは「故郷で味わったたれがこの店で買える」「ガツンとくるこの味わいが好きだ。他店では買えない」といった声が多く寄せられている。精肉での価値の判断基準は価格に応じた素材の品質だが、たれ・ソースにおいてはお客それぞれの味の嗜好である。また、コロナ禍ではマスクを着用しているため、においを気にせずに味わえるニンニクベースのたれも需要が伸びつつあるなど、消費行動の変化にも対応した品揃えを展開すべきだ。

「愛知県産焼肉セット」(5980円)
「愛知県産焼肉セット」(5980円)

 さらに、やや極端な例ではあるが、「このたれを使えば、輸入ポークの肩ロース部位も、より高価格な国産部位と同じくらいのおいしさで食べられる。素材としての価格差を感じない」といった声もあった。多様なたれを品揃えすることによる相乗効果で精肉の売上も伸長しており、この店舗は客単価の10%アップに成功している。

 また、精肉売場での焼き肉提案では、写真❷の「愛知県産焼肉セット」(5980円:以下、本体価格)のような高価格商品も重要だ。品質の向上はもちろんのこと、1品単価の上限を設けず商品化することも、客単価で他店と圧倒的な差をつける重要なポイントである。

夏商戦の付加価値向上はドレッシングの充実

 焼き肉のたれやステーキソースだけでなく、ドレッシングの品揃えを強化することも

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