ドレッシング市場、調理機会の増加や用途の広がりで20年の市場は堅調

野菜摂取意向の高まりや家庭内の調理機会の増加、調理用途の多様化などにより、2020年のドレッシング市場は好調に推移した。レギュラータイプに加え、食用油にこだわったドレッシングが牽引。また、回復傾向にあるノンオイルドレッシングが市場を押し上げている。
前年割れが続いていたノンオイル 健康意識の高まりで需要は上向き
KSP-POSデータのドレッシングの期間通算(2020年4月~21年3月)の金額PIは5814円で、対前年同期比7.9%増となった。月別では新型コロナウイルス感染症の拡大により、1回目の緊急事態宣言が発出された4月は6574円で同11.5%増と2ケタ増。その後もほぼ安定した推移となった。また、2回目の緊急事態宣言時期の2月も2ケタ増となっている。
健康志向の高まりで野菜摂取意向が高く、コロナ禍で在宅勤務や外食の自粛などにより家庭内の調理機会が増えたことで、ドレッシング市場は堅調に推移している。また、昨年は暖冬傾向により野菜の価格が安定したことで、サラダの食卓登場頻度が高まったようだ。
ドレッシングの中でもスタンダードタイプはこれまでも堅調に推移してきたが、ノンオイルドレッシングはここ数年、大きく前年割れが続いていた。これは食用油の健康価値が見直され、食用油を積極的に摂取する意向が大きく影響していると考えられる。また、サラダに市販のドレッシングをかけるのではなく、オリーブオイルと塩や、手づくりドレッシングなどの流行がドレッシング市場に影響を与えたことが予想される。各社からは、オリーブオイルやアマニ油、ごま油などのプレミアムオイルを使ったドレッシングが発売され、好調に推移している。
ただ、長引く自粛生活により、“コロナ太り”を実感する人が増えており、ノンオイルドレッシングの価値が見直され、需要を伸ばしている。

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