2021年春夏「健康・機能性市場トレンド」 顕著な動きのあった4つのカ テゴリーを取り上げてレポート

室作幸江(ライター)
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健康系チョコレート

ステイホームで喫食頻度が増加 新商品登場で市場は好調に推移

【対象商品】商品名に次のいずれかのキーワードが入るチョコレート。“カカオの割合”、“乳酸菌”、“LIBERA”、“ビフィズス菌”、“糖質カット”、“GABA”など

グラフ

明治の「オリゴスマート」が金額前年比200%超えで好調

 コロナ禍で在宅時間が増えたことで、おやつ時間を楽しむ人が増えている。一方で、健康意識も高まっていることから、健康に配慮したおやつを選ぶ傾向にある。その選択肢のひとつが健康系チョコレートだ。

 健康系チョコレートの金額推移をみると、20年3月は金額前年比87.4%と前年割れしているが、その後、右肩上がりで伸長。9月は同91.1%と落ち込んだが、10月以降は前年比微増で推移。とくに、10月は同112.2%と大きくプラスとなった。

 好調の要因は、ロッテの「乳酸菌ショコラ」シリーズが20年9月29日にリニューアル発売したことにある。デザート&サプリメントという新たな位置づけで訴求したところ、10月は同163.3%と大きく伸長。健康系チョコレート全体の10.7%を占め、売上を後押しした。

 また、明治の「オリゴスマート」シリーズも売上拡大に寄与している。金額構成比は5%前後ではあるものの、金額前年比は200%超えとなる月も多く、好調に推移している。まろやかな味わいのミルクチョコレートでありながら、砂糖の量を減らし、その一部を糖として吸収されないフラクトオリゴ糖に置き換えた価値が徐々に浸透してきた結果だろう。

 なお、金額構成比50%前後を占めるトップブランドの明治「チョコレート効果」シリーズは20年10月以降、前年比プラスで堅調に推移。安定した売上を誇っている。

明治「チョコレート効果」がランキング上位を独占

 2021年2月のランキングをみると、トップ10の中に明治の「チョコレート効果」シリーズが7品もランクイン。しかも、1位と3位は大袋商品であることが興味深い。そもそもカカオポリフェノールは体内にとどめておくことができないため、健康価値を期待するなら、毎日こまめに喫食する必要がある。したがって、大袋商品がランキング上位ということは、喫食の習慣化が進んでいることを意味している。

 さらに注目すべきは、8位と9位に同シリーズの新商品がランクインしたことだ。高カカオチョコレートに食物繊維が豊富なナッツを組み合わせたもので、21年2月2日に発売された。上市後、すぐにランキングに躍り出たということは、同シリーズに期待するものが大きいことの現れだろう。

チョコレート図表
※図表がプロテインになっていたため、4/23 13:30修正。

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