2021年春夏「健康・機能性市場トレンド」 顕著な動きのあった4つのカ テゴリーを取り上げてレポート

室作幸江(ライター)
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プロテイン訴求商品

前年比150%超の好調を継続 若年層の来店客獲得の切り札に

【対象商品】商品名に“プロテイン”などを含む商品、およびザバス商品

グラフ

 

「ザバスMILK PROTEIN」が二ケタ成長
「TANPACT」も堅調に推移

 近年、健康な体づくりに欠かせない栄養素としての認知が進んだことで、プロテイン訴求商品の市場は拡大傾向にある。2020年3月以降、前年比150%以上の大幅増を継続、とくに20年10月以降は潮目が変わったように伸長している。この理由として、牛乳や豆腐、ヨーグルトなどの新商品が相次いだことが挙げられる。実際10月は、森永乳業の「森永のおいしい高たんぱく脂肪0」、相模屋の「たんぱく質のとれるとうふにゅうめん」など、商品名に「たんぱく質」をうたったものの売上が大きく伸びた。

 好調の要因は、金額構成比50%弱を占め、本カテゴリーの中心となっている明治の「ザバスMILK PROTEIN」シリーズが安定した二ケタ成長を遂げていることにある。手軽にごくごく飲めるうえ、新しいフレーバーが次々と発売されるため、飲み飽きることがない。しかも、さまざまな容量タイプの商品を展開している。

 だがさらに注目すべきは、明治の「TANPACT」シリーズだ。これは、たんぱく質摂取量の低下が一因と考えられる「低栄養」という社会問題の解決に貢献しようと開発されたもの。20年3月に発売開始した新ブランドでありながら、金額構成比20%弱を占めるまでに伸長し、一定のポジショニングを確立している。同ブランドの理念に賛同した企業との連携も始まり、ラインアップの拡充が進んでいることから、今後ますます市場での存在感を高めていきそうだ。

二大ブランドが販売好調明治が市場をけん引

 2021年2月のランキングをみると、トップ2 0 の中に明治の「ザバスMILKPROTEIN」シリーズが11商品もランクイン。また、「TANPACT」シリーズも4商品が入っており、両シリーズを手がける明治が市場をけん引していることを物語るランキング結果となった。

 いつでもおいしく、手軽にたんぱく質を摂取できることを強みに訴求してきたバータイプやシリアルは、「TANPACT」シリーズの躍進もあって、やや落ち着いた感がみられる。

 こうしたプロテイン訴求商品を購入するのは、他の健康・機能性商品に比べて若い層だ。年代別構成比でみると、全商品合計と比較して50代以下の構成比が高く、30代や40代は約7ポイント上回っている。それゆえ、若年層の来店客獲得に向けて提案チャンスが大きい商品といえそうだ。

ベスト20

 

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