意外?大阪名物スーパー玉出がコロナ禍で顧客層を拡大させた販促とは
大阪府を中心に店舗を展開する「スーパー玉出」。ド派手なネオンサインや「1円セール」などの大胆な販促イベントで知られているが、コロナ禍では全国各地で販路を失ったこだわり商品をセール販売するなど、従来とは異なった販促施策を展開。その結果、新たな顧客層の獲得につなげるなど成果を出している。何かと“奇抜”なイメージがつきまとうスーパー玉出だが、コロナ禍を経て、その姿に変化が見られつつある。
ド派手な店構えで大阪観光の名所に
スーパー玉出は大阪府に42店舗、兵庫県に1店舗の合計43店舗を展開する、関西を代表するローカルSMの1つである。経営規模はそれほど大きくはないが、こと人々に与えるインパクトにかけては大手をはるかにしのぐ存在感を示している。
まず印象的なのは、店頭に掲げられている個性的な看板。黄色をベースとし、そこに赤で記された屋号の「スーパー玉出」、さらにトレードマークであるひまわりのイラストと「激安」の文字が並ぶ異質なものである。
店内に足を踏み入れると、初めて訪れた人は外観以上の刺激的な光景に圧倒されるはずだ。青果、精肉、鮮魚など各部門の上部には、派手なネオンサインが輝いており、まるでパチンコ店にいるかのような雰囲気である。随所で、過剰と感じるほどのチラシや手書きPOPを貼ってとにかく「安さ」を演出しており、店舗全体が販促ツールになっているといっても過言ではない、アミューズメント性の高い売場となっている。
そんなスーパー玉出を運営するのがフライフィッシュ(大阪府/湯本正基社長)だ。2018年7月に前運営会社からスーパー玉出の事業を承継し運営にあたっている。
「創業者がなぜここまで派手な演出にこだわったのかわからない。だが、スーパー玉出のようなユニークなSMは他にない。買物しただけで『スーパー玉出に行った』とSNSでつぶやく人も多いほか、大阪観光のルートに組み込んでいる観光客の方もいる。事業承継した後も、この特徴ある店づくりをイメージ戦略としても活用し、販促にも生かしている」。こう説明するのは、フライフィッシュ取締役の國枝尚隆氏である。
名物イベント「1円セール」
スーパー玉出の販促施策のなかでも、利用客に長く親しまれてきたのが「1円セール」。
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