米糠ドリンクに乳酸菌入り玄米 神明、キッコーマンが手掛ける新機軸

兵藤雄之
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発酵と玄米に着目した新しい主食提案

キッコーマンこころダイニング
キッコーマンこころダイニングでは、「発酵のちから 糀入りもちもち玄米」を提案

 国内しょうゆシェアナンバーワンのキッコーマン。だが、格的な料理をしない家庭が増え、調味料の消費量は減る一方で、同社の主力であるしょうゆも、国内の出荷数量では、この30年で3分の2に減少している。

 そこで同社でも多聞に漏れず、新規事業に乗り出している。

 

「毎日、おいしく食べて、健康になってほしい」

 この思いのもと、世の中にある醗酵原料を用いた商品を開発、直接販売しているのが、キッコーマンこころダイニング(東京都/茶谷良和社長)だ。当初は調味料からスタートしたが、それだけで新規事業を運営していくのは難しく、食と健康にフォーカスをした展開も始めた。

 そうした動きのなかで、現在注目を集めているのが、「玄米の食物繊維と乳酸菌のパワーであなたの健康と美容をサポート」をキャッチにうたう『発酵のちから 糀入りもちもち玄米』だ。

 玄米は糖の吸収が穏やかな「低GIGlycemic Index)食品」。

玄米を主食にすることで、食物繊維を効率よくとることができるといわれている。

 同社では、玄米の品種にもこだわり、宮城県の試験場から生まれた「金のいぶき」を使用。「金のいぶき」は、一般的な玄米に比べ胚芽が3倍大きく、GABA(γアミノ酪酸。高めの血圧を改善する作用があるといわれている)が3倍、ビタミンE2.1倍、食物繊維が1.3倍含まれている。さらに、不足しがちな水溶性食物繊維も豊富なもち麦、健康食品として注目される古代米の黒米をブレンドし、アシスト乳酸菌を500億個配合した。アシスト乳酸菌は、キッコーマンが開発した乳酸菌で、免疫を活性化するはたらきがある。

 

 もちろん、機能だけではない。

 味付けは塩麹のみだが、そのため口に入れたときに感じるほどよい甘さは、玄米本来の味わいだ。高圧力がかかる特別製法により、玄米からもちもちの食感も引き出している。

 サンプルを食しただけだが、食べにくい玄米というイメージはない。むしろ、こんな玄米食なら、続けて食べたいという気分になるだろう。

 ただ、1パック160g(ほぼ一膳のごはんに相当)の希望小売価格は300円(税込)と、ほぼ同量の一般的なパック入りごはんの価格の約2倍。健康志向の人たちのサイフのひもをどこまでゆるめることができるか、だ。

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