大谷起用&名店コラボの効果絶大!ファミリーマートの”おむすび強化戦略”

取材・文:阿波 岳 (ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者)

ファミリーマート(東京都/細見研介社長)は821日、「20258月おむすびキャンペーン発表会・試食会」を開催した。同社では243月から、おむすびの販売強化を目的に大谷翔平選手を「おむすびアンバサダー」に起用。第一弾では、大谷選手の代名詞である投打二刀流になぞらえ、「おむすび二刀流、解禁。」と銘打ったキャンペーンを展開した。ファミリーマートがおむすびを強化する背景とは。

ⓒファミリーマートPR事務局、以下同

大谷翔平起用で大成功
「おむすび二刀流」キャンペーンの成果

 ファミリーマートはおむすびを戦略商品として位置づけ、商品力の強化を進めている。

 その理由について商品本部 デリカ食品部長の木内智朗氏は「おむすびはファミリーマートへの来店目的の上位カテゴリーであり、比較的手に取りやすい価格帯にある。これを強化することで、お客さまの来店動機をさらに創出したい」と説明する。

ファミリマート 商品本部 デリカ食品部長の木内智朗氏 

 原材料である米や海苔の価格が高騰する中にあっても、同社は顧客満足の向上を優先し、おむすびの幅広い価格帯と品揃えに注力。「低・中・高」の3つの価格帯を展開、幅広いニーズに応えるラインアップを提供している。

 さらに253月には、ファミリーマートのおむすびのさらなる認知度向上をねらい、大谷翔平選手を「おむすびアンバサダー」に起用。就任に合わせて実施された「おむすび二刀流」キャンペーンでは、1960年創業のおにぎり専門店「ぼんご」(東京都豊島区)監修の商品を含む4商品を展開した。ぼんごは、注文を受けてから一つひとつ握るスタイルを守り、55種類を超える具材を揃える人気店だ。大谷選手の起用効果は大きく、4商品の販売数は1週間で300万個を超え、3週間で累計922万個に達した。

 同キャンペーン終了後も、ファミリーマートは新たな施策を次々打ち出している。その一つが、25315日から始まった「#大谷選手ファミマおむすび割」だ。大谷選手がホームランを打つか勝利投手になった試合の翌日に、ファミリーマートの公式Xアカウントで投稿される専用リンクから、おむすびが50円引きになるクーポンを先着で取得できるというもの。25821日時点で累計41万枚のクーポンが発行され、使用率が92%を超える試合もあった。

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取材・文

阿波 岳 / ダイヤモンド・チェーンストア 編集記者

大学卒業後、社会の荒波にもまれる日々を経験。そこで書籍や会報誌の編集に携わるうちに、メディア事業への興味が芽生え、今に至る。
趣味は喫茶店巡りと散歩。喫茶店での一杯のコーヒーや、街角の散策を生きがいとしている。
これまで全都道府県を制覇するという小さな目標を達成した。何かを極めたり、制覇したりすることには、なぜか人一倍の熱意を注いでいる。
最近の悩みは、ここ数年で増えた体重との戦い。健康の大切さを意識しつつも、喫茶店のコーヒーに合わせたスイーツや、ランチの大盛りがやめられない。今日もまた元気に「大盛で!」と注文しつつ、明日こそ控えめにしようと心に誓っている。

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