おいしい魚を食べる感動体験を!イオンが進める魚食拡大の取り組みとは

関川 耕平(ダイヤモンド・チェーンストア 編集者)
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未利用魚を使った簡便商品も発売

 水産庁では、官民協働の魚食普及の取り組みとして、22年以降、毎月3日~7日を「さかなの日」として制定している。この「さかなの日」の取り組みには小売業、メーカーなど約1000社が参加し、イオンリテールとJF全漁連もこの取り組みに賛同している。

 さらに、水産庁は11月を魚食普及活動強化月間に位置付け、113日~7日を「いいさかなの日」として制定している。イオンリテールは、この「いいさかなの日」に合わせ、「イオン」「イオンスタイル」計380店舗で「プライドフィッシュ フェア」を開催した。

イオン葛西店では、「神奈川県産真さば」、静岡県産「尾赤あじ」など、丸魚のほか、「石川県産さわら」など切り身でも販売される

 該当店舗では、新たに「プライドフィッシュ」に追加された「長崎の赤カマス」、石川県の「いしかわのサワラ」「いしかわの甘えび」など、全30魚種を展開する。なお、販売される魚種は地域ごとに異なり、水揚げ量や天候によって取り扱いのない店舗がある。

「レンジで漁師のぶりのあら汁用」(税抜198円)は水分をジュレ状にすることで、持ち運びやすくした

 また、同イベントでは、天然魚だけでなく、養殖魚も販売する。24年は、愛媛県のみかんを餌にした「愛育フィッシュみかんブリ」の「レンジで漁師ののぶりのあら汁用」(税抜198円)、「レンジでぶりの煮魚用」(同598円)などの簡便商品をラインアップ。さらに、能登半島地震、洪水被害への応援として、石川県志賀町富来港産「西海サーモン」を約30店舗で販売した。

そのほか、規格外で市場に出回らない未利用魚も商品化している。過去、イオンリテールでは、未利用魚のガンゾウヒラメを使ったメンチカツや太刀魚メンチカツを店頭で展開してきた。今回は、背ビレに毒があり、食用利用されてこなかった長崎県産「アイゴ」を使った「あいごの香味野菜焼き用」を販売。縦にさばくことで背ビレを除去したうえで、香味パン粉をまぶし、香ばしく、ふっくらとした味わいに仕上げているという。

 イオンリテールの水産商品部長の松本金蔵氏は「近年は、おいしい魚であるというのはもちろんのこと、時短への取り組みが必須であると感じている。今回の『プライドフィッシュ フェア』では『レンジであら汁』、『レンジで煮魚』『あいごの香味野菜焼き用』などの商品を展開し、魚の調理における面倒くささを解消した。毎回試行錯誤しながら、お客さまに喜んでいただき、食べておいしいという体験づくりを一生懸命取り組んでいきたい」と話した。

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