レシートは語る第14回 快進撃続くロピア オーケー、トライアルを押さえた強さの要因

山室 直経 (mitorizDMB本部 本部長)
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価格と提案力で
満足度の総合評価1位

 続いて各チェーンの利用者ごとに「満足度調査」を下記8項目で行った。(図表3

図表3

 その結果、8項目中6個が上位3位以内に入り、平均では最も高い満足度を獲得していた。

 ロピア全体では「6.商品の価格(安さ)(90.3%)」が最も満足度のスコアが高く、「オーケー(94.0%)」を下回るものの、同じく低価格戦略をとる「トライアル(89.2%)」を僅差で抑えた。

 また、価格だけではなく、「1.生鮮食品の品質」や「4.商品の品質」「2.商品力・オリジナリティ」などの項目が「イオン」や「ライフ」といった提案型食品スーパーと同等に評価を得ていることにも注目したい。

 商品の買い付けやプライベートブランド商品の開発は、一般的に本部のマーチャンダイザーが担うが、ロピアでは各売場のチーフが自ら買い付けや販売価格の決定まで行う「事業部制」を採用している。生鮮の専門性の高さに加えて、このように現場責任者が裁量を持つことで現場の意見や顧客志向が品揃えに反映されている点が、提案力の部分でも評価を得ていると考えれる。

 またOICグループは、積極的なM&A(合併と買収)と事業の多角化により、食品スーパーだけではなく、製造業や飲食事業、輸出入業を展開する企業をグループ傘下に持つ。これらグループ企業の機能を活用することで、質の高い独自性のある商品を低価格で提供できることも、総合的な満足度に高さに寄与しているとみられる。

 以上の調査結果からロピアは、「現場主義×製造小売」で独自の価値を生み出し、「価格の安さ」だけでなく「提案力」も発揮することで、支持を得ていることがわかった。
 「2031年までにグループ売上2兆円」を掲げるロピア。今後のますますの躍進に期待したい。

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記事執筆者

山室 直経 / mitoriz DMB本部 本部長

山室直経(やまむろ・なおつね)

神奈川大学経営工学科卒業。パソコンメーカーを経て、米リサーチ会社にてコンサルティング業務を学ぶ。その後、大手家電量販店子会社のパソコンメーカーで経営企画室に従事。計数管理とERP導入による業務改善などのプロジェクトを経験した後、2012年3月ソフトブレーン・フィールド入社、消費者購買データ事業の新規立ち上げを行う。

現在はデータを軸とした事業開発と当社の基幹システムのDX戦略を担う

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