コロナ5類で季節催事は盛り上がる? 今年の「花見」に見る消費者心理
20代の参加意欲高まる
想定支出金額も3年ぶりに上昇
次に、コロナ禍での「花見」の参加率の推移を見ると、20年は9.4%、21年は11.1%、22年は11.8%。と微増が続いている状況だ。22年の性年代別の特徴としては、「増加」派は20代女性が最も多く21.6%、次いで20代男性が20.5%と、とくに若年層を中心に参加意欲が高まっている可能性がありそうだ。
続いて「花見」の費用について、22年の実際の金額と23年の想定金額を聞いた。結果はともに「2000円未満」が最多だった。ただ、22年・21年の実績では「0円」~「2000円未満」が過半数のシェアを占めたが、それと比較して23年の想定額は「0円」の回答が減少している。また、花見1回当たりの想定支出金額平均は2495円(22年比+202円:1人当たり)で、3年ぶりの前年比プラスの予想となっている。
こうした傾向を受けて、リクルートホットペッパーグルメ外食総研上席研究員の稲垣昌宏氏は「コロナ禍からの回復に伴い、花見のような飲食を伴う季節行事が増えることは、食品スーパーの中食の平均単価を押し上げる効果が期待できるのではないか」と述べている。
そのほか、今回は詳しくは触れないが、「歓送迎会」についても、「花見」とほぼ同様の傾向で、参加回数の見込みは、「増加」派が過去最高値、1回あたりの想定費用も前年比で上昇している。
これらの結果から、消費者の季節の催事やイベントにおける参加や消費意欲は着実に高まっていることがわかる。
しかし、今年の花見に見られる参加率があまり高くなかったことや、参加意欲が「昨年と変わらない」と回答する人が多いことを見ると、コロナ禍でのライフスタイルが定着しており、それを変えるのは容易ではなさそうだ。食品小売各社が季節催事で需要獲得していくには、これまで以上に消費者を惹きつける催事提案が求められているのかもしれない。
調査概要:
インターネット調査、調査期間:2023年2月1日~2023年2月9日
有効回答数:9860人(首都圏、関西圏、東海圏の合計)※令和2年国勢調査人口に基づいて性別・年代・地域の250区分でウェイトバックを実施
~商品・売場づくりに明日から使える!~外食トレンド最前線 の新着記事
-
2024/06/14
働く人の平日ランチ事情 小売店での購入額は増加 平均予算は597円 -
2024/03/14
2023年流行グルメの結果発表と24年の食トレンド予測 -
2024/02/02
栄養成分表示に対する意識調査 「カロリー」「糖質」に続く、消費者が気にする注目成分は? -
2023/09/29
いまやスイーツに焼き肉も!? 飲み会回復とともに注目したい〆グルメ -
2023/08/02
広がるメニュー、店の宣伝効果も!? 「グルメ自販機」が進化する背景 -
2023/06/09
ランチ予算は過去4年で最高! コロナ収束で掴みたい ビジネスパーソンの昼食ニーズ