ホーマス・キリンヤから転換したクスリのアオキ水沢店の売場づくりを徹底解説!

解説:海蔵寺りかこ (KTMプラニングR代表)
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近年、ドラッグストア(DgS)が食品を強化するという、いわゆる「フード&ドラッグ」の取り組みが活発化している。その代表的な企業の1つがクスリのアオキホールディングス(石川県/青木宏憲社長:以下、クスリのアオキ)だ。本稿では、食品スーパー(SM)から転換したフード&ドラッグ店舗の「クスリのアオキ水沢店」(岩手県奥州市:以下、水沢店)を調査し、食品をフルラインで取り扱う強みを紐解いていく。
調査日:2022年9月20日、文中の価格は調査日のもの

価格訴求型のSMを転換

クスリのアオキ水沢店
クスリのアオキ水沢店 店舗概要
●リニューアルオープン日: 2022年7月27日
●所在地: 岩手県奥州市水沢字高屋敷141-1
●営業時間: 9:00~22:00
●電話番号: 0197-34-1681

 クスリのアオキは2022年3月、岩手県・宮城県でSMや衣料品店を展開していたホーマス・キリンヤと同社の商品の仕入れ業務を行っていたフードパワーセンター・バリューを吸収合併した。今回調査した水沢店は、ホーマス・キリンヤのSMから転換した店舗の1号店である。同店には、都心から東北新幹線に約3時間半揺られ、「水沢江刺」駅で下車し、そこからクルマを20分ほど走らせると到着する。

 クスリのアオキは近年、ローカルSMを傘下に加えることで、生鮮を含む食品全般を取り扱うフード&ドラッグ店舗の開発を進めている。DgS企業の中で、クスリのアオキほど生鮮食品や総菜を含めたSMとの融合に真剣にチャレンジしている企業はない。さまざまな地域で、ローカルSMとの連携を進め、常に進化していることが窺える。

 以前、私は本誌2022年3月1日号のクスリのアオキ特集でフード&ドラッグ店舗の「クスリのアオキ土浦おおつ野店」(茨城県土浦市)を調査した。同店は、クスリのアオキが子会社化したSM企業ナルックス(石川県/野口剛社長)が21年6月、茨城県土浦市のローカルSM・スーパーマルモのSM事業を承継したことで同社の「おおつ野店」を転換した店舗だ。この店舗では、買収されたSMとクスリのアオキの商品力・マネジメント力がうまくミックスされ、500坪程度の規模で“小さな総合スーパー”のごとく食品とドラッグがマッチングし、地域のワンストップショッピングのニーズに応えていたのが印象的だった。

品揃えやマネジメントには課題も?

 しかし今回水沢店を訪れた際、

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解説

海蔵寺りかこ / KTMプラニングR 代表

食品コンサルタント
1級色彩コーディネーター、カラーデザイナー、UCアドバイザー

株式会社KTMプラニングR代表。大阪府吹田市出身、太陽の塔を眺めながらバレーボールに明け暮れる少女時代を過ごす。ダイヤモンド・チェーンストア誌連載「販促の強化書」、店舗調査解説などを執筆。JA全農にてさまざまな国産農畜産物のSPA化と向き合う。惣菜メーカー、食品スーパー、データ分析等の各企業のサポートや各種セミナーも開催している。

KTMプラニングRホームページ

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