日本酒市場、香り高い・フルーティーなど若年層に訴求する商品が増加傾向
新規に興味を抱かせる日本酒ならではの魅力を訴求
コロナ禍に入り2年以上が経過しワクチン接種も進む一方、新たな変異株なども発生しており、感染症対策のための巣ごもり消費は当面続くとみられる。さらに社会情勢の変化に伴う燃油や物価の高騰により、コストパフォーマンスを考えて家飲みを選択するユーザーが今後増えると推測される。
20年10月の酒税法改正により価格面で手に取りやすくなったこともあって、日本酒は他の酒類カテゴリーからの流入も見受けられる。とくに近年は値ごろ感のあるパック酒カテゴリーの中でも純米大吟醸や山田錦使用、生貯蔵酒などワンランク上の商品を選ぶ傾向がより強まっている。さらに健康意識の高まりから糖質オフやプリン体ゼロといった健康訴求の日本酒を選ぶユーザーも増えてきている。
今後、日本酒の需要を広げていくためには、季節感のある演出や総菜とのコラボレーションなど、家飲みならではの楽しみ方を訴求することが重要となるだろう。近年の日本酒はフルーティーな香りを楽しめる商品が多く、和食だけでなく、洋食や中華などさまざまなメニューに合わせやすい。新規ユーザーの獲得に向け日本酒の選び方やシーン提案、おすすめ料理など、家庭での日本酒の楽しみ方を訴求することで、日本酒のファンづくりにつなげていきたい。