コンビニ相関図2025 デジタル・物流領域で企業の壁を越えた連携進む
物価高や競争激化など先行き不透明な事業環境が続く中、大手を中心としたコンビニエンスストア(CVS)各社では、従来とは一線を画した新たな店づくりや新サービスに挑戦する動きが広がっている。デジタル技術を導入した店舗運営やサービス、高品質の店内調理商品など、各社は「新しいCVS」のあり方を打ち出そうとしている。
日本フランチャイズチェーン協会(東京都)によると、2024年度(24年1~12月)のCVSの市場規模は、対前年度比1.2%増の11兆7953億円と、4年連続で前年プラスとなった(全店ベース)。インバウンドによる消費が伸びたほか、インフレ下での価格対応といった販売施策が奏功したと見られる。
一方で、激化する店舗間競争や物価高への対応など事業環境は依然として厳しく、CVS各社は新サービスの展開や商品政策(MD)、異業種との提携による、新たな成長戦略を模索している。
そうした状況にあるCVS業界で、24年は大きなニュースがあった。業界1位のセブン-イレブン・ジャパン(東京都)の親会社であるセブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下、セブン&アイ)が8月、カナダのCVS大手アリマンタシォン・クシュタール(Alimentation Couche-Tard:以下、ACT)より買収提案を受けたことを公表した。
セブン&アイはACTとの協議は続けながらも、25年3月、経営体制の刷新を発表。自社単独で企業価値を向上させるべく、主力のCVS事業へ経営資源を集中させる方針を打ち出した。

CVS事業の再成長を図る具体的な施策として、セブン-イレブン・ジャパンが強化するのが店内調理の出来立て商品の提供だ。近年は店内で揚げたカレーパンやドーナツをはじめ、新商品の「セブンカフェティー」などカウンターフードや店内調理の商品開発を強化。即時配送サービス「7NOW(セブンナウ)」も、全国約2万店舗でのサービス提供に向け順調にエリアを拡大している。
ほかにも、24年2月にオープンした新コンセプト店舗「SIPストア」の1号店「セブン-イレブン松戸常盤平駅前店」(千葉県松戸市)の取り組みも継続する。イトーヨーカ堂(東京都)の生鮮食品の販売ノウハウを生かすなど、SIPストアにおいて品揃えや店づくりに関する新たな試みを取り入れ、CVS事業の成長につなげたい考えだ。
ファミマとローソンはデジタル活用で異業種連携
異業種と連携し、デジタル技術を活用する動きも進んでいる。ローソン(東京都)は24年2月、親会社の三菱商事(同)と、通信事業会社のKDDI (同)と3社で資本業務提携契約を締結すると発表した。KDDIはローソンに対するTOB(株式公開買い付け)を実施し、9月以降に三菱商事とKDDIが50%ずつ出資する共同経営体制に移行。これに伴い、ローソンは7月24日に上場を廃止している。

ローソンが新体制でめざすのは、
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