顧客起点のバリューチェーン推進に向けたデータ分析とは
時系列の検索行動によって浮かび上がる顧客インサイト
マーケティング戦略において役立つデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」を紹介する。例えば「炭酸水」と入力すると、入力したキーワードに加え、スペース区切りで検索された他のキーワードもマップ上に表れる。さらにそれらを検索しているユーザー数、男女比や年代別割合、地域割合などユーザー属性もわかる。炭酸水の作り方は男性の検索が多いことや、腎臓への影響など、デメリットやリスクについて気にしていることも明らかになる。過去4年分のデータ検索が可能であり、商品プロモーション時の検索状況や競合製品との比較も可能だ。
その他時系列キーワード機能もある。「炭酸水」とキーワード入力した場合、その検索前後にどのようなキーワード検索をしたのか可視化できる。例えば炭酸水を検索する3日前に「禁酒」を検索していたため、禁酒中の飲み物として炭酸水について調べていたことが想定される。つまり検索行動のきっかけなど、ユーザーのジャーニーが可視化できる。結果をもとに炭酸水をそのまま売るのではなく、禁酒に炭酸水が効果的かもしれないということをオウンドメディアに流すことで、ユーザーにフィットし、サイトの評価にもつながる可能性がある。
「DS.INSIGHT」の活用事例を紹介する。ある化粧品メーカーが自社商品を入力した際、商品検索前に毛穴関連の検索がよくでていたことが分かった。毛穴ではなく角栓関係のクリエイティブしか用意していなかったため、急きょ、毛穴関係のクリエイティブを作成しABテストを行った。検証すると毛穴訴求のクリエイティブの効果がより大きいことがわかり、結果的に売上に貢献した。
このように、外部データをビジネスに活用できる環境は身近に整っており、ユーザーの価値観が変化している時代に顧客理解を基点にアクションしていくことは非常に重要である。自社データだけではなくヤフーのような外部データを活用することで、顧客理解をより深めることができると考えている。