紙パックの普及からリサイクルまで、イオン、ライフ、ビオセボンが推進する環境への取り組みとは
北欧・スウェーデンで誕生し、世界160カ国以上で食品・飲料用紙容器を製造するテトラパック。食品加工処理から製品梱包に至るまで一貫したソリューションを提供しているのが強みだ。その日本法人である日本テトラパックでは、SDGsへの関心が高まる中、小売業や関係各所と連携しながら持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進している。
CO2排出量が少ない紙容器PB製品への採用が増加
テトラパックが提供する食品・飲料用紙容器(以下、紙容器)は、約70%が再生可能資源といわれる紙素材(※1)からつくられている。
※1 テトラパックの紙容器に使用されている原紙はすべてFSC®認証を取得し、責任調達を通して生物多様性の保全に努めている。
残り約30%は、キャップや包材などに使用されるポリエチレンやアルミ(※2)だが、近年はサトウキビを原料とする植物由来のポリエチレンを使用したキャップや包材(※3)に切り替えが可能となっており、一部容器では再生可能資源の割合を99%まで高めることができる(※4)。
※2 紙容器は、冷蔵流通用の「チルド容器」と、常温で長期保存可能な「アセプティック容器(=アルミ付き紙容器)」の2種類に大別され、前者は紙繊維とポリエチレン、後者は常温保存を可能にするため紙繊維・ポリエチレンのほか、アルミが使用されている。
※3 原材料にはボンスクロ認証を取得したサトウキビが含まれており、持続可能なサトウキビ生産と責任調達を確実にしている。
※4 学校給食の牛乳用「テトラ・ブリック®容器」のコーティングに植物由来ポリエチレンを使用した場合。
まさに紙容器は環境にやさしい包材なのだ。こうした点に着目し、小売業界では植物性ミルクなどのPB製品に紙容器を採用するケースが増えている。
では、どのくらい環境にやさしいのか。同社が第三者機関と協働し、飲料容器の原材料調達から製造・加工までのCO2排出量を測定したところ、図表❶に示すように、ペットボトルに比べて紙容器は50%以上低いことが判明した。
「容器のCO2排出量がほぼ半減することが調査からわかりました。とくに飲料は生産量が多いだけに、その影響は大きいといえるでしょう」と話すのは、日本テトラパック マーケティングマネージャー。それゆえ、ミネラルウォーターでも紙容器へのシフトが進んでいる。