企業成長の方程式 ~従業員と顧客の幸福をもたらし、成長を加速させる法則~
優れたEX・CXの相乗効果が企業収益を向上させる仕組みとは
EX向上→CX向上→収益アップの図式が明確に
2020年は新型コロナ(COVID-19)の感染拡大により、世界は大きな影響を被った。経済活動も制限され、消費者の行動も変化を余儀なくされた。新型コロナの影響はまだ続くが、この中で課題を発見し、DXをはじめとした大胆な経営改革にチャレンジする企業も出てきている。そのカギは顧客体験(CX)と従業員体験(EX)の密接な関係性で、優れたEXとCXの相乗効果が企業収益を向上させることが明らかになった。
セールスフォース・ドットコムは、世界でCOVID-19が感染拡大していた2020年6月に米国企業の管理職社員300人を対象に、CXとEXの重要性などについてアンケート調査を実施。さらに7月から8月にかけてアンケート調査を実施した一部企業の管理職社員にインタビューを行い、その結果と考察を公表した。
その結果「CXを優先するかどうかにかかわらず、質の良いEXが収益の成長に関係する」、「管理職の70%は、EXの向上がCXの向上をもたらす」とEXとCXのポジティブな関連性を指摘する回答があったものの、「管理職の52%は急激な収益の増加がEXにつながるとは思っていない」「CXが優れている企業の管理職のうち41%は、経営役員の間でビジョンが共有されていないことが大きな問題と考えている」「EXが優れている企業の管理職の43%は、従業員が企業文化の変化に抵抗を示すことが問題と思っている」といった課題も浮き彫りになった。
今回の調査ではEXとCXの関連性が明確になった。優れたEXは優れたCXにつながる。EX、CXそれぞれに好意的なフィードバックが相乗効果を生むというわけだ。EXを向上することでCXが向上し、結果的に収益増になるという図式だ。収益成長率の高い企業の管理職の89%が「EX向上がCX向上に直結する」と回答したことでもはっきりしている。
評価スコアが高い小売業はウェグマンズ、トレダー・ジョーズ
EXとCXの評価スコアが高い企業は、EXとCXの評価スコアが低い企業に比べて2倍の速さで成長していることが明らかとなった。業績が好調なアマゾン、アップル、ネットフリックスのほか、消費財メーカーのコカ・コーラ、ユニリーバ、小売業ではSM企業のウェグマンズ、トレダー・ジョーズや会員制倉庫店のコストコ・ホールセールなどがEXとCXで高い評価を獲得している。
企業成長の原動力がEXとCXの向上と相乗効果にあることが実証されたことから、調査レポートでは、今後の企業の成長戦略として、「強力なリーダーシップとビジョンの連携」「業務とIT戦略の連動」「垣根を超えたチーム編成によるCX・EXの強化」「CXとEXの測定技術への投資」の4つのステップを提案している。
不確実性が増す中で企業の成長力を高めるためにEXとCXを向上させ、その相乗効果を高め競争優位性を実現していくためには何をすればよいのか。今回の調査レポートでは、詳細な調査結果からEXとCXの相乗効果を高め成長を加速させるために日本企業が学ぶべき企業戦略のポイントについて公開している。
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