中国でも増殖する小型スーパー 競争の軸は「30分配達」

文:牧野 武文(ライター)

 食品小売業界で、日本と中国に興味深い符合が見られる。それは、コンビニエンスストア(CVS)と食品スーパー(SM)の間に位置する業態の成長だ。

 日本においては、首都圏を中心に展開するイオン(千葉県/吉田昭夫社長)グループのまいばすけっと(神奈川県/岩下欽哉社長)がその代表例だ。同社の店は、CVSサイズの店舗面積でありながら、生鮮品を取り扱い、価格帯はSMとほぼ同等という特徴を持つ。

 主に会社帰りのお客や徒歩圏内に住む中高年層に支持されており、利便性と手軽さがその強みとなっている。さらに、ドミナント戦略を採ることで、ブランド認知を向上させつつ、顧客の利便性を高めている。

食品スーパー、ディスカウントストア イメージ
大手SMフーマフレッシュの傘下企業であるフーマNBは、まいばすけっとと同様の業態を中国で展開している(i-stock/monticelllo)

 中国では、コロナ禍以降「15分生活圏」という言葉が広まるとともに、都市部で便利性が高い小型店舗の出店が加速。今では「社区超市(コミュニティスーパー)」として認知されるようになっている。

 そのような流れの中で、大手SMフーマフレッシュの傘下企業であるフーマNB(Neighbourhood Business)は、

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