SNSで売り込みと募集が横行!喫緊の課題、米アマゾンの偽レビュー対策は?
フェイスブックではびこる取引グループ
アマゾンでは、人的パトロールと機械学習システムで不正レビューを削除している。20年には全体の約99%に当たる2億件以上の疑わしいレビューを掲載前に削除。それらのアカウントが再び投稿できないようにする措置も講じ、関与した出品者アカウントを停止した。
だが、それでもアマゾンのシステムをくぐり抜ける不正レビューが後を絶たない。アマゾンによると、同社の監視が届かないSNS(交流サイト)上で、レビューの書き込みを売り込んだり、書き手を募ったりするグループが数多く存在するという。アマゾンは状況を深刻に受け止め、SNS運営企業に対策を強化するよう求めている。
21年1~3月には約1000のグループが虚偽レビュー取引に関与しているとして、各SNS企業に報告した。報告を受けたSNSがそれらをサイトから削除するのにかかった日数は平均5日。1年前の平均45日から改善が見られた。だが、アマゾンは「SNSは、我々が報告する前に発見・削除できるように十分に資源を投じるべきだ」と非難している。
アマゾンは名指しすることは避けたものの、ここのところ問題視されている米フェイスブックのサービスではびこるレビュー取引グループを懸念しているようだ。米『ウォールストリート・ジャーナル』紙によると、好意的なレビューを書く見返りに、商品代金を払い戻すという手口が一般的。払い戻しにはオンライン決済のペイパルが使われる。また、商品に35ドル(約3800円)のギフトカードを同梱し、金銭受け取りの条件としてレビューを書いたり、五つ星をつけたりすることを義務付けているものもあるという。
前の記事
米アマゾン、2022年に世界最大の小売業者に 流通総額でウォルマート超え 今後も急成長続く2つの理由とは

欠陥品に返品、大量廃棄…マーケットプレイスの商品問題噴出で、アマゾンの方針転換とは?
月刊アマゾン の新着記事
-
2025/10/09
アマゾン、ロボット100万台時代の物流新戦略 AIが導く「人間と機械協働」の現在地 -
2025/09/12
最短60分でiPhoneが届く!? アマゾンのドローン戦略の新局面 -
2025/08/15
商品ページは「聞く時代」に! アマゾンが進めるAI戦略の最前線 -
2025/07/17
地方部の配送網と全米の拠点整備に190億ドル投資! アマゾンが仕掛ける物流戦略とは -
2025/06/18
米アマゾンの物流拠点で75万台が稼働! 人型ロボットは労災を食い止められるか? -
2025/05/13
アマゾンがねらう“低価格帯の覇権” 新EC「アマゾン・ホール」を世界に拡大
この連載の一覧はこちら [39記事]
アマゾンの記事ランキング
- 2025-12-04ウォルマートが生鮮にRFID導入 アマゾンは食品の新PBを発売
- 2024-05-29利用減少から一転、会員数過去最高のアマゾン・プライム 復調の理由は?
- 2025-04-14ネットスーパー相関図 2025 市場拡大背景に協業・提携が活発化!
- 2025-06-09アメリカ小売業ランキングトップ10! 環境激変下での各社の業績&成長戦略とは?
- 2019-05-14世界の小売りブランド価値首位はアマゾン、2位にアリババ=調査
- 2019-10-28米アマゾン、商品の店頭受け取り拠点を拡大、新たにGNCなど3社と提携
- 2020-07-07数々の米アパレルを死に追いやったアマゾン・エッセンシャルズ静かに日本に上陸
- 2020-07-21インド企業の海外アマゾンサイトでの販売が20億ドル突破
- 2020-08-07米サード・ポイント、アマゾンなどハイテク企業に新規投資
- 2020-09-16クローガーPBパッケージを再生可能に ミールキット大手のハローフレッシュ1年で売上倍増!



