米政府が狙い撃ち アマゾン、MGM巨額買収も監視・規制の対象か?

「ニューズフロント」記者 小久保重信
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米政府や議会、欧州競争当局がアマゾン監視

 米『ウォールストリート・ジャーナル』紙によると、今回の訴訟提起は首都ワシントンの法律に違反したとするもので、提訴先は1審にあたるコロンビア特別区上級裁判所。連邦法に違反したとして米政府や複数の州政府が連邦裁判所に提訴した米グーグルや米フェイスブックの事例と比較し、訴訟の影響は限定的だという。

 ただ、アマゾンなどの巨大IT企業の商慣行を巡っては、米国の州政府や連邦議会、欧州の競争当局が監視を強めている。

 20年6月には米ワシントン州と米カリフォルニア州の司法長官がアマゾンの調査を始めたと報じられた。アマゾンが本社を置くワシントン州では、マーケットプレイスで自社商品を有利に掲載していないかどうかを調べている。カリフォルニア州では、出品業者の販売データを不正に入手し、PB商品の開発に利用していないかどうかを調べている。

米首都ワシントンのラシーン司法長官がアマゾン提訴(報道発表文)

 欧州連合(EU)の欧州委員会は20年11月、アマゾンに対し競争法違反の疑いに関する暫定的な見解を示す異議告知書を送付。出品業者の売上高や発送個数、訪問者数といった非公開のデータにアクセスし、自社製品の販売に利用したと指摘した。

 米国では連邦議会下院の司法委員会が20年10月、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのいわゆる「GAFA」を対象にした反トラスト法調査報告書をまとめた。アマゾンについては米EC市場で50%以上のシェアを持つと推測され、マーケットプレイスで支配的な力を乱用していると指摘した。

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