[9日 ロイター] – 食肉加工世界最大手であるブラジルのJBSがランサムウエア(身代金要求ウイルス)によるサイバー攻撃を受けた問題で、米国部門の「JBS USA」は9日、身代金として1100万ドルを支払ったことを明らかにした。
米国部門のアンドレ・ノゲイラ最高経営責任者(CEO)は発表文で、身代金の支払いは「当社と私個人にとっても、非常に難しい決断だった」と説明。「しかし、顧客へのあらゆる潜在的リスクを予防するため、決断する必要があると考えた」とした。
同社は先週、北米やオーストラリアの食肉工場の操業を停止。この攻撃では食品のサプライチェーンが寸断され、食品価格が高騰する恐れがあった。
ただ、JBS USAと、JBS傘下で鶏肉の生産を手掛ける米ピルグリムズ・プライドが失った生産量は1日分に満たない。
JBS USAによると、第三者機関が捜査を行っており、最終的な結論は得られていない。また今回の攻撃では、企業や顧客、従業員のデータは漏えいしていない。
事情に詳しい関係筋によると、サイバー攻撃にはロシアのハッカー集団「レビル」が関わっているという。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は9日、JBSが暗号資産(仮想通貨)のビットコインで身代金を支払ったと報じた。