感謝祭で七面鳥味の豆腐!?前年比4割増、コロナ禍のアメリカで豆腐の売上が急増する事情

ファイゲンバーム裕香
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サンクスギビングに豆腐のターキー? 様々に加工される豆腐

豆腐製のターキー、Tofurky
豆腐製のターキー、Tofurky

 他にも、アメリカでは、毎年11月第4木曜日の祝日「感謝祭(サンクスギビングデー)」に家族が集まって、収穫や恵みの1つ1つに感謝をし、七面鳥の丸焼きを食べる習わしがあるが、七面鳥の丸焼きに見た目と味を似せて豆腐を加工した、トーファーキー(Tofurky)が、食卓に上がることも増えているようだ。

 トーファーキーは、豆腐と小麦粉からできていて、ハムの塊のような形をしている。中にはワイルドライス、ハーブ、マッシュルームなどのスタッフィングが詰められていて、植物由来でできたグレービーソースがついてくる。トーファーキーは、豆腐(Tofu)とターキー(七面鳥:Turkey)の造語で、オレゴン州にあるタートル・アイランド・フーズが1995年から販売している。

 当初製造したのは、500個だったが、顧客からの反響が非常に良く、売上は伸び続け、2001年までに10万個のトーファーキーが販売され、2012年には300万個に達し、売上高は年間数百万ドルに達するようになった。現在トーファーキーブランドの製品は、アメリカ国内2万7000の食料品店で購入できる。今年は、感謝祭に先立ち、トーファーキーの小売業者からの注文が22パーセント増加した。

 新型コロナウィルスの感染拡大で、アメリカでは同居家族以外との感謝祭の会食を自粛するように米疾病対策センターから促されており、フルサイズの七面鳥を避ける動きもあった。

 トーファーキーの売上は、今年アメリカの大型スーパー、Target(ターゲット)や小売最大手のWalmart(ウォルマート)などの主流小売店で、32パーセント増加した。タートル・アイランド・フーズ社は、トーファーキー以外にも、植物由来のハンバーガー、豆腐を使ったソーセージなどを製造販売しており、今年のイースター前後には通常より多くの食料をパントリーにストックする人が激増したことも重なり、同社の豆腐を使ったビーガンハムローストの売上が、前年比で600パーセント増加したという。

 今やアメリカで豆腐は、Tofu (豆腐)で通じるようになっていて、アメリカのスーパーには、豆腐のアイスクリームや、豆腐でできたビーガンクリームチーズなど、豆腐を使った新しい製品が続々と登場している。日本の食卓に欠かせない豆腐が、今後アメリカでさらに売り上げを伸ばしていくのか。植物由来の食品の動きと合わせて、今後も豆腐の動きに目が離せない。

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