ウォルマートの第1四半期、米国事業の既存店売上高が3.4%増と好調、ECは37%増
米ウォルマートでは主力の米国事業の好調ぶりが鮮明になっている。同社が発表した2020年1月期第1四半期(19年2〜4月)のウォルマート米国事業の既存店売上高は、既存店売上高が前年同期比3.4%増と、過去9年で最も高い伸びを示した。
既存店売上高の伸びを牽引しているのが、EC(インターネット通販)との相乗効果だ。米国では、ネットで注文した商品を店舗で受け取る「グロサリー・ピックアップ」の実施店舗が約2450店舗、店舗から注文客の自宅に配送する「グロサリー・デリバリー」の実施店舗が1000店舗近くに増えた。これが来店客数と店舗の売り上げを押し上げている。ウォルマート米国事業のEC売上高は37%増だった。
この結果、全体の約3分の2を占めるウォルマート米国事業の売上高は3.3%増の803億4400万ドル、営業利益は5.5%増の41億4200万ドルとなった。年内にはグロサリー・ピックアップの実施店舗を3100店舗、グロサリー・デリバリーを1600店舗に拡大する計画だ。
米国を中心とするサムズ・クラブ事業も既存店売上高が0.3%増(ガソリンとたばこを除く)、EC売上高が28%増と堅調だったが、全体の2割強を占める国際事業の売上高が4.9%減、営業利益が41.7%減と足を引っ張った。国際事業の主力市場であるメキシコ、カナダ、中国の既存店売上高はプラスだったが、為替変動の影響とブラジル事業の売却が売上高の減少につながった。為替変動の影響を除くと売上高は1.2%増だった。営業利益の大幅減については、昨年子会社化したインドのEC企業、フリップカートの赤字が主な要因だった。
ウォルマート全体での第1四半期の業績は、売上高が1.1%増の1229億4900万ドル、営業利益が4.1%減の49億4500万ドルだった。フリップカートの統合やブラジル事業の売却などに伴う費用がなくなったことで、純利益は80.0%増の38億4200万ドルと大幅な増益となった。